「しかし」と、某F1チームのスポーティング・ディレクターは言う。「あくまで一般論として聴いてほしいが、レーシングドライバーが『体力がない』という理由でレース出場をあきらめるとは考えにくい。しかもテストでは、レース距離以上の周回をこなしていた。その上、開幕戦のアルバートパークは、カタルーニャサーキットほど体力的にきつくない。背中痛がぶり返したと見るのが、妥当なんじゃないかな」

 一方ではアントニオ・ジョビナッツィを推すフェラーリが、パワーユニット代金をさらにディスカウントすることで、メルセデスからシートを奪ったという説もある。

 なかなかうがった見方だが、ザウバーの内部事情に詳しい関係者の話では、「契約上、それはむずかしい」とのことだ。その人物は、「パスカルの性格からしても、自分から『体力がないから』と欠場を申し入れるのはありえない」と言っていた。

 ウェーレインのように事故に遭わなくても、ドライバーにとって背中痛、腰痛は職業病であり、特に近年のフォーミュラカーのドライビングスタイルはその症状を悪化させやすい。

 決して口には出さないが、しつこい痛みに悩むドライバーは少なくない。ウェーレインはバーレーンも欠場が濃厚で、代役のジョビナッツィが開幕戦に続いて好走するようだと、その立場はいっそう微妙なものになりそうだ。

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