しかし、マクラーレンとホンダには長期間の契約がある。さらにすでに今年の5月上旬に、2018年に使用するエンジンの申請は締め切られ、マクラーレンはホンダ製のパワーユニットを使用する申請を済ませている。つまり、マクラーレンは自分の都合で勝手にホンダと手を切り、別のメーカーのパワーユニットを使用することは不可能なのである。

 それでも、マクラーレンがイギリス・メディアを利用して、ホンダへの批判を続けるのは、なぜなのだろうか。考えられる理由は2つある。ひとつはホンダへのプレッシャーだ。遅々として進まない開発を外圧によって前進させようという狙いだ。

マクラーレンの大株主であるマンスール・オジェ(中央)
マクラーレンの大株主であるマンスール・オジェ(中央)

 もうひとつは、株主へのアピールだ。株主とはマンスール・オジェだ。ロン・デニスを解任した後に現職に就いたブラウン。ホンダを攻撃することで、原因はマクラーレンではないことをオジェにアピールしているのではないか。

 もし、本当にマクラーレンが契約を打ち切りたいと考えていたら、ここまで騒ぐ必要はない。契約社会なのだから、紙切れにサインひとつで済む話である。したがって、マクラーレンが騒げば騒ぐほど、マクラーレンはホンダとの契約が切れない状況にあるのだと理解しておいたほうがいい。

 もちろん、だからといって、ホンダの開発がこのままでいいと言っているわけではない。ホンダにはパートナーであるマクラーレンが納得するだけの成果を少しでも早く実現しなければならない技術的な義務がある。そして、それと政治の話は別なのである。そのことを踏まえて、イギリスから発信されるニュースを受け取ってほしい。

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