「今年はミハエルがここで初勝利を飾った92年から25年目のメモリアルイヤー。諸般の事情でその時のマシンB192は用意できなかったけど、このマシン(B194)も初めてタイトルを獲得したマシンだから、悪くはないでしょ」

ミハエル・シューマッハーがドライブしたベネトンB194

 ただし、ケームがスパを訪れたのは、それだけが理由ではない。もうひとつ、重要な使命が託されていた。それは、予選でシューマッハーが持つ歴代最多タイ記録となる68回目のポールポジションを獲得したハミルトンに対する、シューマッハー家からのメッセージだ。メッセージ自体はロス・ブラウン(F1モータースポーツ担当マネージング・ディレクター)が読み上げたが、それをブラウンに届けたのがケームだった。

 つまり、ケームはシューマッハー父・息子のマネージャーだけでなく、いまではシューマッハー家のスポークスマンを兼ねているほど、シューマッハー家に信頼される存在となっている。

サビーネ・ケーム(左)、ミック・シューマッハー(右)

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