日本のレース界で通訳や広報の仕事を務めている伊藤ソニア

 この仕事の一番の醍醐味は、「いろんな人との出会い」だと、ソニアさんは言う。
「本田宗一郎さんにお会いできた経験は今でも忘れられないし、私の一生の誇りです。亡くなる直前で、ほんの少し話しただけでしたけど、すごいオーラでした」

「そしてアイルトン・セナ。彼とは何度もいっしょに仕事をしました。自分にも他人にも厳しい人でしたね。インタビューで準備不足の質問や繰り返しの質問には、はっきりそれを指摘したり。でも人柄は、すごく優しかった」

「鈴鹿が最終戦だった頃は、みんなでいっしょに夜遅くまで騒いだこともいい思い出です。今はそんなこともすっかりなくなって、ちょっとビジネスライクになってしまったのは残念ですね」

 仕事柄、ドライバーやライダーの死にも何度も立ち合ってきた。加藤大二郎の事故死が中でも悲しかったというソニアさんだが、「すごく悲しい出来事でしたけど、でも彼らはベストを尽くし、好きなことをやり続けた中で亡くなった。私も輝いたまま、一生を終えられればと思ってますよ」

 金曜日の朝シンガポールに到着し、その晩の会見をきっちりこなしたソニアさんは、疲れも見せずに深夜フライトで日本へと戻って行った。2週間後の鈴鹿でも、颯爽とした仕事ぶりを見せてくれることだろう。

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