2016年の夏、ガスリーはGP2レースに出場するため、両親やトレーナーとともに車でシルバーストンへ向かっていた途中、前を走る車の運転手の不注意により大きな交通事故に遭ったという。
「僕は後部座席の真ん中に座っていた」とガスリーは事故について語った。「僕の母が左側に座っていた」
「僕たちの車は衝突し、四回転して道路の50メートル先で、逆さまの状態で止まった」
「どこもかしこも血だらけだった。いたるところに血が飛び散っているのが見えた。僕は母が死んでしまうのではないかと思った。母は呼吸がしづらくなっていて、僕と同じように心底怖がっていた」

同乗していた家族やトレーナーが入院するなか、ガスリーはレースに出場、その週末のフィーチャーレースで自身にとってのGP2初優勝を飾り、この勝利を入院中の母親に捧げた。彼の母親はそれから3カ月あまりも退院できなかったが、2016年最終戦アブダビ戦には息子の応援に訪れ、見事勝利を挙げる瞬間に立ち会うことができた。