ナトに2度に渡ってファステストを更新されたが、最終的に残り3周の28周目に松下がこの日のファステストラップを記録し、2ポイントのボーナスもゲットした。
アドバイザーとして帯同していた鈴木亜久里は、安心して見ていられたと話す。

「バルセロナからプレッシャーがあって力が入ってしまって上手く走れていなかったよね。でも今日は『楽しんでレースをやりなよ』と話をして、力が抜けて良い走りをしていたね。これで勝ったっていうのはスゴく大きいよ。悪い流れを自分で元に戻せたと思う。次に繋がるレースができたよね」
最後は2位に13秒の大差をつけて独走勝利。リバースグリッドのポールからの勝利とはいえ、本来の力が発揮できれば充分に速さがあることは証明できた。

モナコにしかないロイヤルボックス下の表彰台でトロフィーを受け取り、松下は力強くガッツポーズを見せた。しかし、自分には厳しい。

「今まで見たことのない景色でしたけど(笑)、昨年の初優勝の時の方が嬉しかったですね。今回だって、まだ100点ではないですから。週末全体を見れば、フリー走行で失敗したのが大きかったし、次のレースではそこもきちんとやりたいと思います」

だが、これでここまでの悪い流れは断ち切ることができそうだ。次のバクーラウンドでは、レース1から勝利を狙っていくと力強く宣言した。
「もちろん勝ちを狙います。ちゃんと走れればトップレベルの走りができるのは間違いないということは分かったし、それをやるからならいかは自分次第ですからね。2年目だから結果がどうとか変なことを考えないで、純粋にレースだけに集中して走りたいと思います」