誰もが知りたいのに、真相は本人しか知らない。「ジェンソン・バトンと道端ジェシカさんの離婚」は、そんな話の最たるものだろう。

 しかし、テスト真っ最中のバトンに「どうして離婚しちゃったんですか」とは、とても訊けない。

 イギリスには、ゴシップ専門の新聞がある。そんな英国ゴシップ紙の代表的存在である『サン』はF1に毎戦記者を送っている。そこの記者だったら、きっと裏の裏まで知り尽くしているはず。そう思って尋ねてみたのだが、意外なことに「いや、報道されてる以上のことは全然知らないんだ」と言う。実に申し訳なさそうな態度からは「知ってるけど教えないもんね」という雰囲気は窺えない。

 この記者とは今回初めて話したのだが、ゴシップ新聞に籍を置いているものの、かなり純粋なF1ジャーナリストなのだ。なので余計に、その類いの話題は避けているのかもしれない。そもそもF1のパドックには「プライベートな質問は極力控える」雰囲気が厳然と漂っている。

「たしか、ジェシカを最後にサーキットで見たのは鈴鹿だったかな。彼女が日本の仕事で忙しいこともあって、ふたりはほとんど一緒に暮らしていなかったみたいだからね。例の昏睡強盗事件で婚約指輪を盗まれたあと、ジェンソンが買い直したとは聞いているけど」

 8月に強盗被害にあったあと、バトンが指輪を再びプレゼントしたことは初耳だった。それから離婚が発表された昨年末までの間に、いったい何が起きたのか。それとも結婚当初から、うまくいっていなかったのか。いずれにしても、これから違う道を歩むふたりが幸せでいることを祈るばかりである──。サンの記者も同じことを言っていた。

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