昨年はコンストラクターズ選手権3位だったウイリアムズが、中盤戦に入ってから低迷している。ひとつの理由は新しいフロントウイングが実際の走行での性能向上が確認できず、予選とレースで使用できない状態が続いているからだ。

 ウイリアムズがハンガロリンクで使用したフロントウイングは、シーズン序盤戦で使用した旧型仕様だった。ノーズもバーレーンGPから登場した超ショートノーズではなく、従来型である。つまり、フロント周辺の空力は3月まで逆戻りしてしまったわけだ。これでは、マクラーレンに逆転されても不思議はない。

 ただし、ウイリアムズの空力がまったく進化していないというわけではない。開発が停滞しているフロントとは対照的に、リヤまわりの空力は進化している。イギリスGPでリヤウイングを改良したのに続いて、ハンガリーGPではモンキーシートを改良。これまでウイリアムズのモンキーシートはフラップが1枚と翼端板だけのシンプルな形状だったが、ハンガロリンクに登場したモンキーシートは、アッパーフラップが翼端板と一体化された3D形状になっていた。

ウイリアムズの新型モンキーシート
ウイリアムズの新型モンキーシート

 
 
 また、フロアも新しくなった。これまではリヤタイヤ前方に進行方向に向かって横向きの細かいスリットが4つ入った仕様となっていたが、ハンガロリンクではスリットが2つに減らされ、代わりに縦方向の大きめのスリットが2本追加された(トップ写真:赤色の矢印)。この処理はメルセデスのフロアと非常に似ている。ただし、この新フロアをハンガリーGPで使用したのはバルテリ・ボッタスだけだった。

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