マクラーレンMCL33の例は、それだけでは説明できない。フロービズによって明らかになった流線を見ると、サイドポンツーンのリーディングエッジ付近はほぼ真横に空気が流れているのがわかる。めくれは控え目だが、めくれの位置と真横の流れは呼応する。
フロアの中心寄りは、奥まったサイドポンツーンの輪郭に沿って空気が流れ、フロアの後端に向かっているようだ。一方、それより外側はスリットに吸い込まれてフロア下に流れ込んでいるように見える(フロア下の強い負圧に吸い込まれて)。
フロア下に流れ込んだ空気は、このエリアでカーブを描いてリヤに向かう流れに合流すると同時に強化し、強く速い流れになってディフューザーを通過するのだろうか。フロアの上面に空気を流してリヤに向かわせるよりも、一部をフロア下に取り込んで路面に挟まれたエリアに空気を流した方が、空力的な効果は高い。
そのことを見つけ、実践したのがMCL33ということだろうか。MCL33は空力的に大胆な設計が他にも見られるが、フロアの大胆なスリットもそのひとつだ。
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