
フロントウイングも、これまでとは完全に異なっている。アッパーフラップは2枚仕様から3枚仕様に(上写真:赤色の矢印)、メインフラップの切り込みも大きくなり(上写真:黄色の矢印)、事実上6枚フラップとなっている。さらにカスケードウイングの内側に立てられていたバーティカルフィンが姿を消して、小型のウイングレットが装着されている(上写真:水色の矢印)。フロントのダウンフォースは大きく向上しているものと考えられる。
ただしケメル・ストレートがあるスパ・フランコルシャンにおいて、レースではダウンフォースを削った仕様のほうが戦闘力が高い。今回ザウバーが持ち込んだ新仕様が必ずしも有利に働くとは限らないため、フェリペ・ナッセも「僕らが求めているエリアでダウンフォースが改善されているかどうかを確認することが今回の重要な目的」と語っている。
ザウバーの新空力パッケージの出来を評価するには、ラップタイムそのものよりも、コーナーが多いセクター2でのパフォーマンスがポイントとなるだろう。