しかしART勢は、その後のペースの伸びがなかった。後方からオリバー・ローランドにプッシュされ、松下は17周目にピットインしてソフトタイヤへ交換。

「レースペースがもっと良いと予想していたんですけど、一番速いヤツと較べると、ふたりとも1秒以上遅くて。セクター1や3は良いんですけど、セクター2のクネクネしたところが遅いというのが明らかでした。2台ともそうだったんで、僕の走りがどうとかではなさそうです。いまの自分のペースより1秒以上速く走らないといけないって言われたんですけど『絶対無理!』って言って。ミスをしないようには走っていましたけど、タイヤをマネージメントしていたわけでもなく、ギリギリのレベルで走っていましたから」

 これで再びガスリーが首位に戻り、そのまま2位キング、3位アレックス・リンを寄せつけずに優勝。松下はピットストップで左フロントタイヤがはまらず約5秒のタイムロスを喫したこともあって14番手まで後退してしまう。マルケロフが8番手からソフトタイヤで前走車を抜いて5位まで這い上がったのに対し、ART勢のペースは振るわなかった。逆にシロトキンは一度ローランドに抜かれてしまうが、最終ラップの最終シケインでローランドがセルジオ・カナマサスを抜こうとして接触したのを見逃さず、立ち上がりで接触されながらもオーバーテイクして9位へ浮上。松下は10位ローランドに0.131秒及ばず、11位に終わった。

 松下はピットアウト直後にファステストラップを記録したが、入賞圏外の11位に終わったためファステストのボーナスポイントは与えられなかった。

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