キミ・ライコネン(アルファロメオ)
キミ・ライコネン(アルファロメオ)

 したがって、抜け道を上手に通り抜けたアルファロメオは、テストの序盤から好調な走りを披露した。第1回バルセロナテスト3日目の午前中には、全チームを含めて最初今年の1分17秒台に突入するタイムを刻んでいた。昨年のザウバーの1回目のテストでのベストタイムが1分22秒台。気温や路面コンディションが昨年よりも良好だったとはいえ、昨年のザウバーから、完全に生まれ変わっていた。

 しかし、そのペースは2回目のテストに入ると、鈍ってきた。これはアルファロメオが最も軟らかいC5タイヤを、1回目のテストから積極的に使用していたためで、ライバル勢がC5タイヤを履いてタイムアタックを開始してきた2回目のテストに入ると、アルファロメオの走りはやや平凡なものとなったからだ。

 チームにとってベストタイムとなった1分17秒239を記録した3月1日も、朝からC5タイヤを気前よく履いてショートランを繰り返していた。それでも1分17秒台を切れなかったということは、これが現時点でのC38の限界なのかもしれない。その日の午後にライコネンが行なったレースシミュレーションのタイムも、ほぼ同時に始めたマクラーレンのカルロス・サインツJr.よりも遅く、午前中のベストタイムが決して燃料を多めに搭載していたというわけではないようだ。

 もうひとつ、アルファロメオで気になるのは、搭載されているパワーユニットの諸元が発表されていないこと。昨年は「フェラーリ062」とワークスと同じスペックを搭載していたが、今年は明言されていない。ボディカウルの形状を見る限り、フェラーリに比べるとアルファロメオは明らかに大きく、もしかすると昨年のスペックか、同じスペックだとしても冷却系などが本家の「フェラーリ064」とは異なり、マシン後方の空力に妥協が生じている可能性も考えられる。

 ただし、ザウバー時代にはシーズン中にほとんどアップデートされていなかった開発も、アルファロメオのテコ入れによって進むことが考えられる。シーズン中の開発によっては、中団グループの台風の目のような存在になるかもしれない。

全チーム戦力分析(5)に続く

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