メルセデス:バランスチェック
ハミルトン:すごくアンダーステアだ。でもこのペースでならまだ走り続けられるよ
メルセデス:OKルイス、BOX、BOX
2番手ハミルトンはボッタスと同じ戦略では勝てないと考えそう言ったが、これだけタイヤのデグラデーションが大きければステイアウトすればするほどタイムロスは大きくなる。メルセデスAMGはすぐにハミルトンを呼び入れ、ハミルトンはボッタスの後方のポジションが確定した。
これでスタートからミディアムで走り続けるルクレールが自動的に首位に立ったが、いずれピットインの瞬間はやってくる。フェラーリ陣営としてはどこかでセーフティカーが入ることに賭けていた。その間にタイヤ交換を済ませれば首位をキープすることができるからだ。そのためにQ2でミディアムを履き、セーフティカー導入を待つことができる“ウインドウ”を広くしたのだ。
しかしメルセデスAMGには余力があった。セーフティカー中にピットインされても首位をキープされないよう、ルクレールとのギャップを縮めておくようボッタスに指示が出された。
メルセデス:LEC(ルクレール)はまだSC(セーフティカー)ギャップを持っている。だからこれを縮める必要がある。47秒台前半だ
ボッタスはすぐにペースアップしルクレールとのギャップを縮めた。
メルセデス-ボッタス:ペースが良すぎるから少しバックオフしても大丈夫だ。LECはもうウインドウ内に入った。46台後半でOKだ
レッドブルもスティントの序盤はタイヤを傷めないように抑えて走り、タイヤ温度が安定してきたところからプッシュを開始してファステストラップを連発させた。
レッドブル:パープルラップを記録して現時点でトウに入って走っているHAMよりコンマ数秒速いぞ
ルクレールは依然としてタイヤ無交換のまま首位を走り続けるが、そのペースは決して速くはなく、後ろに2番手ボッタスから5番手フェルスタッペンまでが数珠繋ぎになりつつあった。
フェルスタッペン:ルクレールとはどのくらい離れているんだ?
レッドブル:彼はまた我々のピットストップウインドウ内に入ったよ
28周目、ルクレールの背後に追い付いたボッタスにコース上で抜くよう指示が出された。背後を走っているとタイヤを傷めてしまうからだ。
メルセデス-ボッタス:ルクレールに対して仕掛けていこう。みんな後ろに追い付いてきている
ボッタスはルクレールとハミルトンに挟まれながら、虎視眈々と狙うハミルトンに隙を与えないようルクレールを抜いて首位を取り戻した。
メルセデス:前とのギャップは1.5、後ろは1.4。LECを捕まえろ
メルセデス:HAMがDRSを使うかもしれないぞ