レースはトップのハミルトンをロズベルグが追走。3番手ベッテルはその後もコースオフして一気に2秒近くタイムを落とすなど徐々にトップから離され、中盤30周目にはハミルトンとの差が9秒に拡大。さらにベッテルは2回目のピットストップで再度ロズベルグをアンダーカットするも、アウトラップの最終コーナーでコースオフするミスを犯して3番手にドロップ、フロントウイングの交換で緊急ピットストップとなったベッテルはウイリアムズのバルテリ・ボッタスの後ろ5番手でコース復帰となってしまう。

 しかしフェラーリ陣営は、ベッテルと異なるタイヤ戦略を採った4番手のキミ・ライコネンが、レース中盤はハミルトンから13秒ほど後方ながらミディアムタイヤでソフトタイヤを履いた前3台とほぼ同ペースで周回。この日最後となる2回目のピットストップもメルセデスから6周遅れの40周目に行うと、最終スティントはソフトタイヤで猛プッシュを仕掛け、ミディアムを履くメルセデスより1周2秒速いペースで周回。約20秒あった2番手ロズベルグとライコネンの差は瞬く間に縮まっていった。

 残り10周の時点で2番手ロズベルグとライコネンの差は約7秒。それ以降はライコネンのペースもやや鈍ったが、それでもメルセデスより1周1秒近い速さで追いかけ続けたライコネンは残り3周でロズベルグの背後約1秒にまで迫った。

 すると、残り2周となった56周目の1コーナーでロズベルグのブレーキにトラブルが発生! コースオフしたロズベルグをフェラーリが抜き去りついにライコネンが2番手に浮上すると、さらに5秒前を走るハミルトンにも最終ラップでBBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)の不具合が生じ、ライコネンに大逆転の可能性が生まれた。

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