これによってフェルスタッペンのラップタイムはさらに0.2〜0.4秒ほど速くなった。ルクレールよりも1周0.8秒ほど速い驚異的なペースで一気に勝利へとリーチを縮めていく。レースエンジニアのジャンルカ・ピサネロもやや興奮気味だ。

レッドブル:ブリスタリングな(猛烈な)ペースだ、マックス。このまま行け!

 65周目、エンジニアからフェルスタッペンがDRSを使って迫ってきていることを警告されたルクレールは、いよいよ切羽詰まって攻防に集中したいと言ってこれを遮った。

フェラーリ:フェルスタッペンが1秒後ろだ

ルクレール:Leave me alone(1人にしてくれ)!

 68周目、フェルスタッペンはついにターン3でルクレールを射程圏に捕らえてDRSを使いインに飛び込んでいく。しかしターン3の立ち上がりで2台は並んで加速して行き、ターン4へのブレーキングでも抜ききることはできなかった。

 すると翌69周目、フェルスタッペンはターン3でさらに鋭くインに飛び込み、さらに奥までブレーキングを我慢して前に出る。それでもアウト側で食い下がろうとするルクレールとラインが交錯して両者は僅かに接触し、ルクレールのマシンはコース外に弾き出された。

ルクレール:クソったれ、なんてことだ!

 フェルスタッペンからすればルクレールが当ててきたという言い分だった。

フェルスタッペン:彼がターンインしてきた!

レッドブル:こっちは悪くない、何も悪くないぞ!

 フェルスタッペンはルクレールを抜きトップでチェッカードフラッグを受けたが、この接触が審議対象となり1時間45分の聴聞と審議の末にレーシングイ
 ただし、その裁定がどうであろうとこの日レッドブル・ホンダが最速の存在であったことは誰の目にも明らかだった。

 車体の空力性能がアップグレードによって向上し、レース戦略が完璧に当たり、そしてフェルスタッペンが最高のドライビングを見せた。そしてホンダも通常以上にアグレッシブなセッティングでパワーを捻り出してそれに加勢した。まさしくレッドブル・ホンダが総力戦でこの日のレッドブルリンクにおいて最速の存在となり、勝利を掴み獲ったのは揺るぎのない事実だった。

2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン
2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン

レッドブル:本当に素晴らしいレースだった!

フェルスタッペン:イエス、ボーイズ! カモン! イエス! あの1周目からなんて展開だ! 僕らは間違いなく追い付いてきている! みんな今週末は本当に素晴らしい仕事だった、ありがとう

 レースの興奮冷めやらぬフェルスタッペンは、ホンダが2015年のF1復帰以来初の勝利を手にしたことにも賛辞を贈るとともに、アグレッシブなレース屋魂でパワーを絞り出してくれたことに感謝と賞賛の言葉を添えた。

クリスチャン・ホーナー代表:素晴らしいドライビングだった。君のことをすごく誇りに思うよ! なんてレースだ! ホンダの初優勝でもある

フェルスタッペン:みんな本当に素晴らしかった。今日はストレートで良いパワーがあった。あのパワーがあったからこそオーバーテイクできたんだ。ありがとう

レッドブル:本当に言葉が見付からないよ。とにかくシンプルにコース上で最速のクルマだった

フェルスタッペン:あぁ、今日のペースはアメイジングだったよ

2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン
2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン
2019年F1第9戦オーストリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第9戦オーストリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクター

本日のレースクイーン

原あゆみはらあゆみ
2026年 / スーパー耐久
CATACLEAN Twinkles
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技
    【最難関は最初にやってくる】
    FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年6月号 No.1620

    [特集]新世代F1テクノロジー新解釈
    パワーユニット、エアロ、足まわり
    ──世界一の知恵比べを読み解く

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSU 2026 マフラータオル(DRIVER)

    2,500円