メルセデスのルイス・ハミルトンは、ルーキーであるアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)には素晴らしい将来があると考えており、成長中のアルボンの才能をレッドブルが“適切に扱う”ように促している。
アルボンはF1第18戦メキシコGPのフリー走行2回目に大クラッシュに見舞われ、メキシコGPは波乱の幕開けとなったが、彼は決勝レース序盤では輝きを取り戻していた。数周の間、ハミルトンの前で3番手を走行していたのだ。
アルボンは決してミスをすることなく、完璧なドライブをして最終的に5位に入賞した
「彼はしばらくの間僕の前にいて、それからピットインしだんだよね? 彼は本当に良い走りをしていた。ミスもないか、ほとんどなかったね」とハミルトンはレース後の記者会見で振り返った。
2018年にFIA-F2に参戦していたアルボンの将来は不透明だった。というのもシーズン序盤は、アルボンの所属していたDAMSは彼とレースごとに契約を交わしていたのだ。
アルボンの才能が見逃されることはなく、ニッサンは彼にフォーミュラE参戦をオファーした。だがレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが現れ、アルボンの人生はまたも突然変わることになった。
22歳のアルボンは、数カ月間で先行きの見えない状態から、トロロッソで本物のF1ドライバーとなった。またピエール・ガスリーの不振もあって、彼はシーズン半ばでレッドブルに昇格し、マックス・フェルスタッペンのチームメイトになった。
そしてアルボンは、レッドブル・レーシングへの昇格以降の6戦すべてでトップ6入りを果たしている。
「今年は本当に挑戦だと思う。多くの人々から高い評価を受け、土台を築いているドライバーに対抗することになるからね」とハミルトンは続けた。
「それに彼はとても若くして参戦するのだし、様々な困難を経てきただろう。彼の人生の物語は、すべての逆境を超えてきた、非常に興味深いものだ」
「座って少しの間彼を眺めるのは、とてもクールだったよ。彼はとても早い段階でピットインした。詳しい理由は分からないけれど、彼らは明確に2ストップ戦略をとることにしたようだ。それ以降は彼の姿を見ていない」
5度のF1世界チャンピオンであるハミルトンは、アルボンには素晴らしい将来が待ち受けていると確信しているが、レッドブルとヘルムート・マルコ(レッドブルのモータースポーツアドバイザー)が彼を適切に扱うことを期待している。
「彼の前には輝かしい将来がある」
「レッドブルが数年にわたって彼をサポートするよう期待している。それは非常に重要なことだ。なぜなら彼らは、ドライバーが常に成果を出さないと、すぐに放出してしまうことがよくあるからだ。彼らが(アルボンに)良くしてくれるよう願っているよ」