──夏休み前はレッドブル・ホンダがぐんと伸びて、それが明けにはフェラーリが一気に速くなりました。そして今は三つ巴に見えます。田辺TDは、どのような印象ですか?
田辺TD:三つ巴的にはなっていますが、ひとつのパックに3チームが入ってるというよりは、まだまだ上位2チームとは差はありますね。近いところでは、戦えたかなというところでしょうか。
──メキシコでは、「メルセデスとフェラーリにフタをされてたのが、ちょっと頭を出して息ができた感じ」と言ってました。今回の予選も、それに近かったのでは?
田辺TD:いえ。僅差とはいえ、2台にフタをされました。
──今回も、スタートはよかったですね。
田辺TD:数字的なものはまだ見ていないですが、きれいなスタートができたと思います。今年いろいろ見えた課題を解決しつつやってきた。そのおかげで、今のところ安定しているかなと。
──フェルスタッペン自身は、「黄旗が出ていなければハミルトンを抜けていた」と言っています。同意見ですか?
田辺TD:そうですね。ただタイヤマネージメントも含め、全体的なチーム力でわれわれはまだまだ敵わないと思っています。
──最後にハミルトンの六度目のタイトル獲得について。
田辺TD:本当に、凄いことです。おめでとうございます。強いですよね。チャンピオンを続けるのは、本当に難しいことです。新パワーユニット(PU/エンジン)が導入されて、そこで大きなアドバンテージを得た中でスタートを切れたという巡り合わせのよさももちろんあった。
しかしライバルたちも必死に開発して追い付こうとしている中、その位置を守り切っているのは本当に素晴らしい。チームの首脳陣はみんなかつての仕事仲間ですが、みんないまだに「何かあったら即対応する。それは今も欠かさずやっているよ」と言っていました。そういう企業文化的なところ、そして優れたパワーユニット、車体、すべてが合わさって、この偉業を達成したのだと思います。