そして突然空いたフォース・インディアの1席を巡っても、それほど多くのドライバーが名乗りを挙げているわけではない。例えばザウバーの2人は、「僕にとってフォース・インディアが選択肢になるかどうかは分からないよ」(エリクソン)、「大勢のドライバーがフォース・インディアに行こうとしているみたいだけど、僕にできることは何もない。状況を見守るしかない」(ナスル)と、ザウバー残留をターゲットとしている。

 というのも、フォース・インディアのシートに収まりそうなのは、メルセデスAMGの契約下にあるパスカル・ウェーレインかオコンになるというのが有力だからだ。彼らを走らせることで、メルセデスAMGから供給を受けるパワーユニットとギアボックスの代金が大幅に安くなるからだ。

 その一方で、フォース・インディアはカネになびかないチームとしても知られる。持ち込み資金があればそれに越したことはないが、それ以前に実力のあるドライバーでなければレースシートは与えない。エンジニアの発言力が強く、レース好きのビジェイ・マリヤがほぼ全ての資金を自費で負担し半ば趣味で運営しているチームだからこそ、彼らが実力を認めたドライバーしか乗せたがらない。ヒュルケンベルグが5年にもわたってこのチームに留まってきた理由もそこにある。

 ヒュルケンベルグを高く評価する松崎淳エンジニアにその後任は誰が良いかと尋ねると「ニコが良いです」と冗談めかして答えたが、昨年フォース・インディアでテストドライブをしたウェーレインに対しても当時「さすがメルセデスAMGの育成ドライバーです、非常にフィードバック能力も高く優れたドライバーだと思います」と評価していた。メルセデスAMGもウェーレインをマノーよりも上位のチームで走らせたい意向で、両者の思惑は一致しそうだ。

 つまり、フォース・インディアの1席以外はほぼ全てのドライバーが残留を希望している。その中で、フォース・インディアとルノーの決定を受けて誰が押し出されるかというだけのことなのだ。

 ただし、ルノーもフォース・インディアも少なくともこのUSGPとメキシコGPの連戦が終わるまでは何の進展も望んではいない。パーマーの見立て通り、その結末が明らかになるのは2〜3週間先のことになるだろう。

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