予算が潤沢でないとはいえ、チーム組織再編を進めるルノーはこれを牽引できるようなリーダーシップを持ったドライバーを必要としている。現行の若手2人では頼りなく、現在のドライバー市場を見渡せばヒュルケンベルグが最も魅力的な選択肢だったことは明らかだ。

 ヒュルケンベルグにとっても、フォース・インディアからのサラリーが未払いになっていたといい、二重の意味で彼にとっては「最高の決断」だったのだろう。

 今季のルノーは昨年末のロータス買収からの“移行期”であり、マシン改良にもほとんど力は注いでいない。資金が不足し、アップデートはほとんどできず、カーボンではなく樹脂パーツで代用してテストを行なったり、スペアパーツも不足してマシン本来の空力性能が出ないといった問題にも悩まされた。

 そういう状況だから、仏国ビリ=シャチヨンの首脳陣とパワーユニット部隊、そして英国エンストンの車体部隊との関係は一時悪化していた。ルノーのマネージングディレクターであるはずのシリル・アビテブールがケータハム時代と同様にマネージメント能力を発揮できず、チーム内にリーダーシップが欠けていたこともその理由のひとつだ。

 しかし、ようやくこうした状況にも改善の糸口が見えつつあるという。資金的な苦しさからも脱却しつつあるとチーム関係者は語る。事実、ここ数戦のパフォーマンスの向上がそれを証明している。

 では、ヒュルケンベルグの移籍を機に2017年シーズンに向けたドライバー市場はどう動くのだろうか? まだまだ来季が決まっていないドライバーは多々いる。「3人のドライバーがルノーの残る1席を争っている、その状況ははっきりと分かっている」とパーマーは言う。

 その3人とは、現在ルノーとの契約下にあるマグヌッセンとパーマー、そしてエステバン・オコンだ。少なくともマグヌッセンとパーマーはルノー残留を第一目標に据えて、現時点では他チームのシートは考慮に入れていない様子だ。「2〜3週間以内に決定されるだろう。ここからの2〜3戦が非常に重要になる」

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