レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

Blog ニュース

投稿日: 2021.06.03 08:00
更新日: 2021.06.02 19:25

【ブログ】マグヌッセンの言葉が記憶に残り、忘れられない2019年カナダGP/木村のF1英国留学日記

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


Blog | 【ブログ】マグヌッセンの言葉が記憶に残り、忘れられない2019年カナダGP/木村のF1英国留学日記

 僕は2018年7月からハースF1でインターンを始めたのですが、何といっても“仕事”の世界のことは右も左も分からない学生だったので、最初の約1カ月は日々の業務やコンピューター言語を集中的に勉強する期間にあてられました。派遣されたビークルパフォーマンスグループ(VPG)から2名のエンジニアが教育係として僕に付いて頂いたのですが、このふたりからは本当に色々なことを1から教えてもらいました。

 特に、F1の世界では想像以上の速度で非常に多くの仕事が行きかっているのを間近で感じ、このなかでしっかりと仕事をしていけるようになるのだろうかと不安になったこともありましたが、技術面はもちろん仕事への向き合い方など、メンタル面も含めて鍛えられました。

 2018年9月末に行われたロシアGPはそんな研修期間も終了し、ひとりで仕事を任され始めてから初めて大きな問題に直面したレースでした。

 各レースに向けた事前のシミュレーション解析業務は、通常だとレースの2週間前から始動し、開催週の月曜日にプレゼンを行いセットアップの最終決定がなされるというのが大まかな流れだったのですが、ロシアGPに向けた解析業務は想定外のシステムトラブルがあり大幅に遅れてしまっていました。

 その遅れをなんとか取り戻すため、教育係を務めてくださっていたエンジニアと一緒に遅くまで働き、なんとかプレゼンに間に合わせ、レースでは当時選手権争いをしていたルノーの前でケビンがポイントフィニッシュを決めてくれたので、非常にほっとした思い出があります。

 特に、遅くまで一緒にプレゼンを制作していたエンジニアと「なんとか間に合った、良かった」とハイタッチをしてふたりで安堵したのは良い思い出です。やはり、チームに入ってから最初の1~2カ月は、これからF1の世界で“仕事”をしていく上での基本中の基本を学んだ期間だと思うので、非常に大切な期間だったと思います。

2018年F1第18戦ロシアGP ケビン・マグヌッセン(ハース)とカルロス・サインツJr.(ルノー)の争い
2018年F1第18戦ロシアGP ケビン・マグヌッセン(ハース)とカルロス・サインツJr.(ルノー)の争い

■VPGは“チーム内でもっとも不健康な部署”

 毎回恒例になりつつある余談ですが、僕が所属していたハースF1のデータ解析やシミュレーション業務を行うVPGという部署(仕事内容詳細は前回のブログで)は、当時「チーム内でもっとも不健康な部署」と呼ばれており、自称もしていました(笑)。

 というのも、ランチを近くにあるファストフード店やイギリス版定食屋さん(日本の定食屋さんとは異なり、かなり高カロリーなメニューが揃っています)のようなところで毎回済ませていたからなのですが、教育係をしてくれていたエンジニアのひとりは、ただでさえヘルシーとは言えないハンバーガーを、いつも「野菜抜き」で頼んでいたので納得の評価かと思います。

 特にレースに帯同しているエンジニアは体を鍛えていたり普段から健康に気を付けている方が多いので、より目立つのかもしれません。僕もVPGの先輩を見習った(さすがに野菜抜きにはしませんでしたが……)食生活をしていましたが、後半は少し気を付け始め、ジムなどのトレーニングに参加するようにしていました。

 ちなみに甘い物にも目がないVPG内で人気だった日本のお菓子は、定番のポッキーと日本限定フレーバーのキットカットで、お土産として持っていったときにはすぐに消え去りました……。

 次回は後編として、2019年のイギリスGPとインターン最後の日の出来事を紹介できればと考えています。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2018年F1第18戦ロシアGP ロマン・グロージャン(ハース)
2018年F1第18戦ロシアGP ロマン・グロージャン(ハース)


関連のニュース

Blog News Ranking

本日のレースクイーン

リアライズガールズ
原あゆみ(はらあゆみ)

Blog Photo Ranking

フォトランキング