一方、来季の去就が注目を浴びるバルテリ・ボッタス(メルセデス)には、こんな辛辣な質問が飛んだ。

『もし来季メルセデスに残留できず、さらに競争力のあるチームへの移籍がかなわなかった場合、ラリーへの転身も視野に入っていますか?』

 フィンランド人であるボッタスは確かにラリーも大好きで、2年前にはWRCのアークティックラリーにも参戦している。しかし「F1がダメならラリーに行く?」というのは、別次元の話だ。ボッタスはきっぱりとこう答えた。

「まず言いたいのは、そういう考え方は好きじゃないということだ。僕はいつも前向きに生きてきたし、今の自分が何を望んでいるかもよくわかってる。ひとことで言えば、今のチームに残留することが、最大の望みだよ。レースに勝ち、タイトルを獲ろうとしたら、選択肢はそれしかない」

「もしそれが叶わなかったら、他のチームをあたるだろう。でも僕は今でもF1が好きだし、F1マシンの運転を楽しんでる。少なくともあと数年は、F1に留まるつもりだ」

バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2021年F1第10戦イギリスGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 このやりとりで、会見は少し重い雰囲気に支配された。ボッタスもそれを感じたのか、次の質問で思いがけないジョークを繰り出したのだった。

『シルバーストンのストレートに今回、ハミルトンの名前がつけられました』

「ルイスほどの実績があれば、当然のことだ」

『ではもしあなたの名前をつけていいと言われたら、どのサーキットのどこにつけますか?』

「う〜ん……(しばらく考えて)もし将来的にフィンランドGPが開催されたら、そのコーナーのひとつに、僕の名前をつけてくれたら嬉しいね」

 と、ここまで答えたところで、「いや、いいのがひとつある!」と言い出した。

「レッドブルリンクのピットレーンを、僕の名前にすることかな」と、ニヤリと笑ったのだ。いうまでもなくシュタイヤーマルクGPのフリー走行でスピンを喫し、グリッド降格ペナルティを受けたことへの自虐ギャグだった。謹厳実直なイメージのボッタスだが、こんなギャグもかますのである。

2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP FP2でバルテリ・ボッタス(メルセデス)がピットレーンでスピン
2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP FP2でバルテリ・ボッタス(メルセデス)がピットレーンでスピン

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