来年2022年は、無限ホンダのF1参戦開始からちょうど30周年の節目の年となる。1992年から2000年までの147レースを戦い、“非メーカー系”のエンジンでありながら4つの勝利を残したその実績は、F1の歴史的に見てももっと評価されて然るべき偉業である。その4勝はどれもトップチームではない、勝利とは縁遠い中堅チームとともに成し遂げたものなのだから。

 ホンダF1第二期活動の“遺産”を引き継ぐかたちで無限ホンダのF1プロジェクトがはじまった。当初はまさしくマクラーレンやティレルに搭載されていたV10ベースのエンジンで戦っており、あの時代に多く見られた“エンジンメーカー”のひとつに過ぎなかった。その姿勢に変化が見られのは1994年のイタリアGPに持ち込まれた“新時代エンジン”の開発からだと言える。ここから無限ホンダは『参戦しているだけのメーカー』から『戦うメーカー』にシフトチェンジした。

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