■アストンマーティン
ランス・ストロール:評価 4/10
予選19番手/決勝12位

17カ月以上もコクピットから離れており、2022年型マシンに乗るのはこれが初めてだったニコ・ヒュルケンベルグに予選で敗れるという屈辱を味わったストロール。しかし、レースでは順位を上げて12位で完走し、多少プライドを取り戻すことができた。
ストロールは、ヒュルケンベルグが9周目にミスをした際に前に出ることができ、アレクサンダー・アルボンやマクラーレン勢よりも優れた戦略を選んだことでいくつか順位を上げたが、ポイントを狙える位置には届かなかった。
ニコ・ヒュルケンベルグ:評価 6/10
予選17位/決勝17位

予選17番手から最下位フィニッシュというのは特筆すべき結果ではないが、2020年10月以来レースに出ておらず、AMR22の知識も全くないという状況を考えると、素晴らしい仕事をしたといえるだろう。予選ではストロールより上位を獲得、決勝序盤のターン1で小さなミスをするまで、ストロールの前を走っていた。
レースを戦い抜けるだけの体力が備わっておらず、タイヤ戦略の失敗により、ひどく苦労し、実質的に最後尾フィニッシュとなった。チームは、タイヤがだめになってからも3周から4周ヒュルケンベルグをステイアウトさせるという判断ミスをした。
ヒュルケンベルグは今回もまた、F1レギュラードライバーにふさわしい能力の持ち主であることを証明してみせた。
■ウイリアムズ
アレクサンダー・アルボン:評価 8/10
予選14番手/決勝13位

ウイリアムズは昨年でラッセルを手放すことになったものの、アルボンを獲得したことで、うまくその穴を埋めることができたようだ。
予選では僅差ながらQ2進出を果たし、14番グリッドを獲得した。レースの1周目も素晴らしく、すぐさま3つポジションを上げた。だが、マシンにポイントを争うほどの速さがなかったために、非常に良いドライビングをしていたにもかかわらず、ポジションを落としていった。
最後のピットストップのタイミングが悪く、ストロールをとらえられなかったが、新しいチームメイトには圧勝してみせた。
ニコラス・ラティフィ:評価 4/10
予選20番手/決勝16位

アルボンの初戦のパフォーマンスから考えると、ラッセルがいなくなった後も、ラティフィは対チームメイトの戦いでは苦労しそうだ。
予選は最後尾という悲惨な結果に終わり、レースでは他のドライバーがトラブルに見舞われたり、タイヤ戦略を間違えたりしたことで、多少順位を上げたものの、今回急きょマシンに乗り込んだヒュルケンベルグのひとつ上でフィニッシュするにとどまった。アルボンとは全く勝負にならず、あっという間にチームリーダーの座を奪われた感がある。
■アルファロメオ
バルテリ・ボッタス:評価 8/10
予選6番手/決勝6位

FP1で走れないという不利な状況のなか、予選ではセンセーショナルな走りで6番手を獲得した。決勝はクラッチの問題によりスタートで出遅れ、14番手まで後退。そのままポイント争いから脱落してもおかしくはなかったが、一貫したラップタイムで走り、タイヤをいい状態に保ち、慎重なオーバーテイクを繰り返した結果、レッドブルのダブルリタイアにより6位に繰り上がった。8点に値するレースだった。
周冠宇:評価 7/10
予選15番手/決勝10位

F1デビュー戦での入賞を成し遂げ、1ポイントをつかんだ。クラッチの問題でスタートを失敗し、いったん最後尾まで落ちた後、最終コーナーでリカルドを抜いた。1周目がうまくいっていれば、決勝結果はさらに良いものになっていただろう。
後方から順位を上げていき、ボッタスのすぐ後ろに追いついた。周はボッタスとほぼ同じラップタイムで周回、しかしタイヤをボッタスよりも早く使い切ってしまった。この点は、ルーキーにとっては仕方のないことだ。
セーフティカーがなければもっと上位でフィニッシュできたかもしれない。バーレーンGPで彼は、F1ドライバーにふさわしい力を持ったドライバーであることを証明してみせた。
■ハース
ケビン・マグヌッセン:評価 9/10
予選7番手/決勝5位

おとぎ話のようなF1復帰を果たしたマグヌッセンは、予選では“ベスト・オブ・ザ・レスト”の座をかけた戦いでボッタスに敗れたものの、決勝ではそのポジションをつかんでみせた。
スタートですぐに5番手に浮上したが、その後の数周のなかでターン1に向けて小さなミスをしてペレスに抜かれ、ラッセルにもかわされた。しかしその後は堅実に7番手を走行、レッドブル勢のリタイアでふたつポジションを上げた。
今回のマグヌッセンを見ていて、F1デビュー当時の彼を思い出した。何年も競争力のないマシンに乗り続けながら、彼のレーステクニックと強い精神力は衰えなかったようだ。
ミック・シューマッハー:評価 4/10
予選12番手/決勝11位

2022年最初の週末のシューマッハーには少しショックを受けた。土曜プラクティスと予選では、マグヌッセンより約0.5秒遅かった。予選12番手は自己ベストとはいっても、チームメイトは7番手をつかんだことを考えれば、喜ぶわけにはいかない。
決勝オープニングラップでオコンに接触されてスピンした影響で、ポイント圏内に入ることができなかった。セーフティカー出動の際にステイアウトし、10番手に上がり、ポイント獲得を目指したが、ユーズドタイヤで走り切るというギャンブルはうまくいかず、リスタート後に角田をはじめとする数台に抜かれてしまった。
