決勝を通じて出走28台のうち24台が完走し、メカニカル関連のDNFは2台だけというGen3規定の高い信頼性が印象付けられたレースながら、なぜかトリプルエイト陣営の3台にのみこの症状が見受けられ、最終的にコステッキ/ラッセル組を20秒近く引き離してトップチェッカーを受けたSVG/スタナウェイ組の97号車も、レース後にはライザーに亀裂があったことが明かされるなど、終盤はクルマを労りながら薄氷の勝利を収める結果となった。

「僕らは週末を通して最速のクルマではなかったが、レースカーに向けて努力したんだ」と15年ぶりに“祭典”を連覇したドライバーとなり、過去4年間で3度目のグレートレース制覇を成し遂げたSVG。

「何て気分だろう……。リッチー(・スタナウェイ)は1日中素晴らしい仕事をしてくれたし、チームも良かった。ブロック(・フィーニー)、ジェイミー(・ウインカップ)、そして88号車のクルーたちのことを思うと本当に頭が下がる思いだ。レッドブル・アンポル・レーシング、ありがとう。ファンの皆のおかげで最高だった。本当に寂しくなるよ。この場所が大好きだ。また戻ってくるよ……」

 一方、一時は現役引退を表明して表舞台を去りながらも、来季はペンライト・レーシングでフルタイムに復帰するスタナウェイも、バサースト初勝利というキャリア最高の勲章を手にした。

「あのとき(20代での引退表明)は間違いなく正しい決断をしたと感じていた。後悔はしていないし、実際に休暇を楽しんでいたんだ。退いてから(昨季の)ワイルドカードのチャンスまでの間に、復帰するという考えに対してオープンになれるだけの充分な時間があった」と改めて振り返ったスタナウェイ。

「そして刻が進むにつれ、フルタイムでレースに戻りたいという確信がますます強くなった。2018年、2019年の頃はかなり自分への信頼が低くなっていて、基本的な運転の仕方を忘れてしまったように感じていたんだけどね。今、このような素晴らしいチームに加わり、大きな自信を取り戻せた。すべてに感謝している」

 これで2023年のグレートレース表彰台は、2位コステッキ/ラッセル組に続き、3位アントン・デ・パスカーレ/トニー・ダルベルト組(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)が分ける結果となり、スタンディングでは首位コステッキに対しSVGがその差を131ポイントに縮める展開に。

 続くRSC第11戦は、10月27~29日にサーファーズ・パラダイスのストリートサーキットで『ブーストモバイル・ゴールドコースト500』が開催され、従来のエンデューロ・カップ登録ラウンドには戻らず、レギュラーフォーマットの250km×2ヒート制が予定される。

2位に入ったコステッキは、チャンピオンシップランキングのトップを維持している
2位に入ったコステッキは、チャンピオンシップランキングのトップを維持している
シリーズを去るSVGと、華麗な復活を果たしたスタナウェイのペアが、Gen3時代最初の“Great Race”制覇を成し遂げた
シリーズを去るSVGと、華麗な復活を果たしたスタナウェイのペアが、Gen3時代最初の“Great Race”制覇を成し遂げた
次戦『ブーストモバイル・ゴールドコースト500』はレギュラーフォーマットの250km×2ヒート制が予定される
次戦『ブーストモバイル・ゴールドコースト500』はレギュラーフォーマットの250km×2ヒート制が予定される

本日のレースクイーン

奥西はつみおくにしはつみ
2025年 / スーパー耐久
AutoLabo Lady
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円