最終ヒートを前にしたリバースグリッドドローにより、アーロン-テイラー・スミスとマイキー・ドーブル(エバンス・ハルショウ・パワー・マックス・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)の2台がフロントロウを確定させたレース3は、ライトが消えた瞬間から完璧なホイールワークを見せたドーブルが首位を独走。その背後を守り続けたテイラー・スミスだったが、終盤に来てレーザー・ツールズ・レーシングのBMWに先を譲ることに。

 これでヴォクスホール陣営の牙城を切り崩したヒルは、残り数周で首位ドーブルのリヤバンバーに肉薄。セオリーでもあるアイランドヘアピンからヒスロップスへの進入で仕掛けたBMWが、最終ラップで見事なオーバーテイクを決めて劇的な今季5勝目を手にした。

「今季前半を締めくくるには最高の方法だ。5勝目を挙げ、BTCCのポイントリーダーとして夏休みに入るんだからね」と、ここまでの第3戦、第4戦と週末各2勝ずつを記録し、今回の勝利でも満足げな表情を浮かべたヒル。

 一方、ランキング首位でオールトンパークに乗り込みながら、そのヒルに逆転を喫した王者サットンは、ブレイク明けの後半戦から安定思考を捨てた「全開アタック」の決行を宣言した。

「今週末はBTCCの浮き沈みをすべて経験したと言ってもいいと思う。やはり、僕とオールトンパークはまったく相性が良くないようだ」と、レース2の車体破損に続き、最終ヒートもパンクで失っていたチャンピオン。

「今週末の結果は、僕らがチャンピオンシップ争いで後退したことを意味する。つまりシーズン後半に24ポイントの差を埋めるために、やるべきことがあるよね? これまでは簡潔で一貫性のある方法でタイトルを獲得しようとしてきた。でも(第6戦)クロフトに向かうときには、かつての僕のように最大限の攻撃を繰り出す必要があると考えているよ!」

 そうディフェンディングチャンピオンが決意を示したとおり、続くBTCC第6戦のクロフトは、約1カ月強のサマーブレイクを経た7月26~28日に争われる。

トヨタのクックが“7台ごぼう抜き”で移籍後初勝利。最終周の逆転劇でBMWヒルは5勝目/BTCC第5戦
レース3序盤で先頭を行くマイキー・ドーブルとアーロン-テイラー・スミス(エバンス・ハルショウ・パワー・マックス・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)の2台
トヨタのクックが“7台ごぼう抜き”で移籍後初勝利。最終周の逆転劇でBMWヒルは5勝目/BTCC第5戦
シケインとなるHislops(ヒスロップス)で大外刈りを披露し、最終周で逆転勝利を決めたジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)
トヨタのクックが“7台ごぼう抜き”で移籍後初勝利。最終周の逆転劇でBMWヒルは5勝目/BTCC第5戦
今季のインディペンデント部門で上位を独占するエバンス・ハルショウ・パワー・マックス・レーシング陣営も、総合での優勝争いに歓喜の輪

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