「体力的にはきつい部分もありますが、マシン自体はかなり乗りやすいですね。グリップがF3よりかなり高いのですが、挙動はF3と似ていて、延長線上みたいな感覚です。また、ほかのドライバーより僕の方が速いと言われていたのがブレーキングと高速コーナーだったのですが、それがこのシリーズではとても重要視されているところなので、そこがハマったという部分もあると思います」

「使用されているミシュランタイヤの性能も高いです。実際、昨年のシルバーストン戦の予選タイムはGP2よりも速いくらいですし、走行中のグリップダウンもそこまでありません。レース自体は、土曜日と日曜日にそれぞれ45分間のレースが行われるのですが、日曜日はピットストップ1回の義務があります。土曜日はピットストップがないので、45分間ずっとプッシュし続けることになります。逆にGP2は、タイヤをセーブしなくてはならない部分もあるようなので、その分フォーミュラ3.5 V8の方が体力的なきつさはあると思います」

 他方、GP2には全戦F1と併催されるというアドバンテージもあるが、そちらに参戦してみたい気持ちはないのかと尋ねて返ってきた金丸のF1へのプランは、想像していたよりも具体性を帯びたものだった。

「2017年からFIAのF2選手権が発足すると言われているので、F1スーパーライセンスのポイント的に考えても、GP2よりもF2に乗りたいという気持ちですね。そのためには、今年はそれに繋がるような成績を残さなくてはいけないと思っています」

 今年は元DAMSとも言えるチームからシリーズに参戦するとはいえ、どの程度のデータが残っているのか、そしてチームメイトは誰になるのかなど、そのチーム力は未知数。「結局、速いチームのマシンは速いので、それにどれだけ近づけるか」と、現実的にシーズンを見据える金丸だが、ここまで孤軍奮闘で一歩一歩踏みしめてきたF1への道のりを、今年はどこまで進めることができるだろうか。

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