■粘り強い走りで決勝を戦う
スタート後の混乱をうまく抜けた琢磨は、22番手から17番手まで上がるが、その後最初のスティントはブラックでスタートしたもののリヤの内圧が上がらずに苦労する。
20周目にピットインしてからレッドに変えるとペースを上げて1台、また1台と順位を上げていく展開になった。ストレートスピードが伸びなくても、ピットワークで順位を上げたり、ニュータイヤでグリップのある間に前のマシンを攻略するのも手段だった。
レース終盤に入り、最後(3回目)のピットストップで後輪の脱着に手間取り4~5秒は失っていた。その後にジョゼフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に攻略されたが、ピット作業が順調にいったとしてもタイヤのグリップが落ち燃費をセーブしながらの走行ではニューガーデンのペースには抗えなかっただろう。

それでも22番手スタートから、なんとか12位までポジションを上げチェッカーを受けた。悪戦苦闘の85周であった。
「厳しいレースでしたけども、レッドタイヤになってからはペースも良かったし、欲を言えばトップ10でフィニッシュしたかったですね。今回はチームメイトのライアンが3位に入ったし、みんな完走できているのでチームとしては良かったと思います」という琢磨。ドライバーズランキングもひとつ上げて、10位となった。
そしていよいよインディ500を迎えることになる。
「明日早速チームとミーティングがあって、月曜日からプラクティスになります。もうスケジュールができあがっていて、初日からグループランもするし、AJフォイトの頃は初日はシェイクダウンだったけど(笑)、僕としてもまったく違うインディ500になりそうですね。アロンソも来るし、とても楽しみにしています」
楽しみにしているのは琢磨本人だけでなく、日本を含めた全世界のモータースポーツファンが、今年のインディ500に注目しているはずだ。
