7月13日にアイオワ・スピードウェイで開催されたNTTインディカー・シリーズ第12戦は、イエローコーションが明暗を分け、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が勝利を飾った。
1週末に2レースを戦うダブルヘッダーで行われているインディカー第11・12戦アイオワ。0.875マイル(1.408km)のショートオーバルを275周で争われ、前日の第11戦となるレース1はパト・オワード(アロウ・マクラーレン)が勝利した。
続く第12戦はアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)をポールポジションを獲得し、275周のレースが幕を開ける。しかし、1周目でスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)とデブリン・デフランチェスコ(レイホール・レターマン・ラニガン)がクラッシュ。すぐにイエローコーションとなる。
12周目にレースは再開。パロウがトップをキープし、フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が続く。
ニューガーデンはローゼンクヴィストを交わし2番手に浮上。パロウはトップを快走するも、30周を過ぎると早くもバックマーカーに追いつき、ニューガーデンの接近を許してしまう。
50周目、スティング・レイ・ロブ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)が単独クラッシュ。2度目のコーションとなり、ここで各車1度目のピット作業へ。
グリーンフラッグは65周目。ニューガーデンがここでパロウを交わしトップに立つ。3番手にデイビッド・マルーカス(デイル・コイン)、4番手に前日ウイナーのオワードが上がり、ローゼンクヴィストは5番手に。
ニューガーデンは巧みにバックマーカーを交わし、リードを築いていく。一方、パロウはマルーカスに接近され、激しい2番手争いを繰り広げる。
130周目にニューガーデンは2度目のピットイン。ここでマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)がターン4で単独クラッシュを喫し3度目のイエローコーションとなる。トップ快走から一転、ニューガーデンにとっては最悪のタイミングとなってしまった。
ピットレーンがオープンになるとパロウとマルーカス、オワードなど上位陣がピットイン。
パロウ、マルーカス、オワードの順で142周目にレースは再開。12番手に落ちてしまったニューガーデンは、ひとつポジションを上げ11番手に。
176周目、カラム・アイロット(プレマ・レーシング)がバランスを崩し単独クラッシュ。4度目のイエローコーションとなる。
トップ勢はこのタイミングで3度目のピットイン。カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)がステイアウトし、2番手にパロウ、3番手にマルーカス、4番手にコナー・デイリー(フンコス・ホーリンガー・レーシング)が浮上し、オワードは6番手、ニューガーデンは8番手に。
191周目にリスタートを迎えるとニューガーデンは5番手に浮上する。パロウは粘るカークウッドを交わし193周目にトップを奪取。マルーカスも続いていく。
ニューガーデンは220周目にデイリーを交わし、3番手まで挽回。5秒前を走る2台を追いかけると、237周目にマルーカスに追いつき2番手を奪取。一気にパロウを射程距離に捉える。
241周目、パロウに並びかけオーバーテイク。再びトップに浮上する。パロウはマルーカスにも交わされ3番手に。
248周目にまずはマルーカスがピットイン。250周目にニューガーデンがピットイン。作業に少し手間取ってしまい、マルーカスの後ろでピットアウトする。
254周目にコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)が単独クラッシュし再びイエローコーション。パロウが有利な状況で勝負の最終スティントを迎えることに。
パロウ、マーカス・アームストロン(メイヤー・シャンク・レーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)の順で265周目にリスタート。パロウがトップをキープし、ディクソンが2番手に浮上する。
ディクソンはパロウには追いつくことはできず、パロウがそのままトップでチェッカーを受け今季7勝目。ショートオーバルでの初優勝を飾った。2位にディクソン、3位にアームストロングが続き、ホンダが1-2-3でアイオワでのレース2を終えている。
A.J.フォイトやアル・アンサーの持つシーズン最多勝の10勝も見えてきたパロウは、「言葉が出ないよ。信じられない1日、信じられない週末になった。僕たちは何よりも素晴らしいシーズンになっている」とコメントしている。



