エントリーの半分の11台が、赤旗で30分ほど中断した後のリスタートに臨んだ。そして、赤旗以前とはまた違ったレースが始まった。タイヤの耐久性を考慮して、30周ごとにフルコース・コーションを出し、ピットストップでタイヤ4本を交換することを義務付ける急造ルールが採用されたためだ。ゴールまでには2回のピットストップが必ず行われる。
優勝争いに生き残ったのはパワー、ディクソン、パジェノー、琢磨、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、カナーンに絞られた。
248周のレースの226周目、最後のピットストップが行われた。コースに戻ったコンペティターたちのオーダーは、パワー、ディクソン、琢磨、パジェノー、チルトンとなっていた。
ブロッキングのペナルティで2周遅れに陥っていたカナーンは、30周毎で出されたイエローを利用してリードラップに復活。残り19周で最後のリスタートが切られた。

逃げるパワーと、トップを奪うべくアタックを仕掛けるディクソン。すぐ後ろでは琢磨とパジェノーがポジション争いを行い、そこへカナーンが一気に追いついてきて、更にマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)も優勝争いに加わった。
そして245周目に入るグランド・スタンド前、琢磨が内側のタイヤを芝に落としてバランスを崩し、ディクソンに接触。2台はクラッシュし、チルトンとコナー・デイリー( AJ・フォイト・レーシング)が巻き込まれた。
このままレースはイエローで終了。優勝はパワー、2位カナーン、3位パジェノーという結果となった。シボレーが今季4勝目を挙げ、ホンダの連勝は3でストップした。

今シーズン2勝目、キャリア31勝目を挙げたパワーは、「ディクソンにゴールラインで逆転される可能性を心配していた。妻の故郷テキサスで勝つことができて最高だ。パックレーシングではトップを走るのがいちばん楽。今日はまさにそれだった」とパワーは語った。
「悔しいですね、優勝争いができていただけに。イン側の芝に追いやられてしまって、ボトミングしてコントロールを乱してしまった」
「ピットでのアクシデントで1周遅れに陥ってからは我慢の展開が続いていましたが、イエローでトップと同一ラップに戻って、アクシデントをうまく切り抜けて上位に復活。そこからはマシンの感触も良く、最後の一つ前のスティントではトップのパワーに並びかけるところまでおけました」
「しかし、最終スティントでは前の2台にとうせんぼされてしまって、イン側に取り囲まれて前に出るのが難しい状況が続いてました。最後にまたあのアウトからのパスでトップに出たかった!」と琢磨は悔しがっていた。
ポイントは引き続きディクソンがトップ(326点)で、今日3位フィニッシュしたパジェノーが313点で2位。琢磨はリタイアしたが10位フィニッシュとなり312点でランク3位をキープ。
序盤のクラッシュでリタイア、20位となったカストロネベスはランキング4番手(305点)に後退し、パワーは今日の優勝でランキングを8番手から5番手に上げた。ポイントは286点でトップとはキッカリ40点差だ。
