2026年FIA F2第8戦のフィーチャーレースにおいて、最後尾から赤旗直前にタイヤ交換義務を消化し、暫定7位までジャンプアップしたノエル・レオン(カンポス・レーシング)。しかし、正式結果にてレオンは失格となった。その理由は、非運用要員(チームゲスト含む)に関する規則違反だった。

 違反が確認されたのは赤旗中断中だった。FIA F2ではマイク付きの無線ヘッドセットは事前に運用要員として登録された人物(FIAが配布する登録腕章着用者)しか使用が許されていない。そのため、車両に携わらない非運用要員は無線を聴く際、リスニング専用の無線ヘッドセットを使用しなければならない(2026年FIA F2競技規則V2 第21.5条および付録5)。

 ただ、フィーチャーレース赤旗中のピットレーンにおいて、カンポス・レーシングのチームゲストが、マイク付きの無線ヘッドセットを使用している姿が確認された。

 発見したのは車検担当者で、彼は『マイク付きの無線ヘッドセットの使用は認められない』とチームゲストに伝えたが、その人物の返答は『マイクは上向きに折りたたまれている』という内容だった。車検担当者から規則違反の具体的な指摘を受けたにも関わらず、チームゲストは再びマイク付きの無線ヘッドセットを使用し続けたのだった。

2026年FIA F2第8戦スパ・フランコルシャン ノエル・レオン(カンポス・レーシング)

 その事実に対する審査委員会の裁定は厳罰だった。非運用要員やチームゲストが使用する無線機器が適用要件に適合していることを保証する責任はチームにあるとし、当該チームゲストが5号車(ノエル)の関係者で、6号車(ニコラ・ツォロフ)とは関係のない人物だったことから、ノエルの5号車がフィーチャーレースから失格となった。

 なお、今季残る大会において同様の違反を一切行わないことを条件とし、『カンポス・レーシングから25ポイントの選手権ポイント剥奪』というペナルティは執行猶予となっている。25ポイントはフィーチャーレース1勝分だ。

 以前の『WEEKLY ROUND UP Formula』でもチームゲストに起因し、チームに科せられたペナルティを複数紹介しているが、今回はドライバーが失格という非常に厳しい裁定となった。これを機に今後はチームゲストも競技規則を一読しておくべきかもしれない。実際にノエルはチームゲストの行いが原因で失格となり、貴重な6ポイントを失った。この6ポイントの有無が、彼のレース人生を変えてしまうことになりかねないのだから。

2026年FIA F2第8戦スパ・フランコルシャン/フィーチャーレースの赤旗中のノエル・レオン(カンポス・レーシング)

■FIA F2:ハイテック、第2戦マイアミのフィーチャーレース以来となるダブル入賞

 2026年FIA F2第8戦スパ・フランコルシャンのフィーチャーレースにおいて、ハイテックのコルトン・ハータ(キャデラックF1テストドライバー)が7位、宮田莉朋(TGR-DC)が8位となり、ハイテックはダブル入賞を果たした。これはハイテックにとって7レースぶりの入賞だった。

 とはいえ、ハイテックにとっては苦しい週末ではあった。予選はハータがトップから1.203秒遅れの18番手。宮田はトラックリミット違反でベストタイム抹消となり21番手となった。なお、他車のペナルティにより、ハータは15番グリッド、宮田は18番グリッドからスタートを迎えた。土曜日のスプリントレースはセーフティカー2回と荒れたが、ハイテック勢に流れは来ず、ハータが13位、宮田が17位となった。

 日曜日のフィーチャーレースでは、2台揃ってオプションタイヤ(スーパーソフトタイヤ/パープル)でのスタートを選択した。スタート直後の混乱を生き残ったハイテック勢は7周目にプライムタイヤ(ミディアムタイヤ/イエロー)に交換。その翌周にローレンス・ファン・ホーペン(トライデント)のクラッシュで赤旗中断となり、各車のギャップは無くなった。赤旗前にタイヤ交換義務を消化できたハイテック勢は、プライムタイヤでスタートから引っ張り、赤旗宣言時にタイヤ交換義務消化前だった10台に対し、大きなアドバンテージを得ることが叶った。

 リスタート時、宮田はタイヤ交換義務消化組の6番手、ハータはタイヤ交換義務消化組の9番手だった。プライムタイヤスタート勢がオプションタイヤに履き替えると、ハイテック勢の前に浮上し、宮田は一時的に入賞圏外までポジションを下げた。しかし、オプションタイヤがデグラデーション(性能劣化)を迎えると、2台揃って入賞圏内に返り咲き、チェッカー。先述したレオンの失格に伴い、正式結果はハータが7位、宮田が8位となり、ハイテックは第2戦マイアミのフィーチャーレース以来となるダブル入賞を果たした。合計10ポイントを重ねたハイテックはチームランキング8位を守っている状況だ。

 ハイテックのFIA F2レースエンジニアリング責任者を務めるヤン・スーマンは「今日(日曜日)のレースは、冷静さを保ち、次々と訪れる状況変化に適応することが求められる展開だった。SCや赤旗、タイヤ性能といった要素が難易度を高めたが、両ドライバーともあらゆるチャンスを活かそうと戦い続けた。ダブル入賞で週末を締めくくれたことは大きな成果であり、チームの状況が再び良い方向に向かっていることを嬉しく思う」と、コメントしている。

 2026年FIA F2、次戦となる第9戦は7月24〜26日にハンガリーの首都ブダペストに位置するハンガロリンクで開催される。

2026年FIA F2第8戦スパ・フランコルシャン/フィーチャーレース 宮田莉朋(ハイテック/TGR-DC)

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