しかし、ここで不運が襲った。23周目にカナーンがターン1でストップするとイエローコーションとなり、ピットに入っていなかった琢磨にとっては最悪のタイミングになってしまったのだ。
イエローの間にピットに入りコースに戻って来た時には18位まで後退。ここから追い上げるしかなくなった。
レース再開後、ペースを上げてターン3でスペンサー・ピゴットを抜こうとアウトからいくと、ピゴットとウォールに挟まれる形で接触! タイヤとフロントウイングを交換することになり、またしてもピットに入ることに。ピットアウトした際にラップダウンにならなかったのは、まさに不幸中の幸いだった。

琢磨の真後ろをトップに立ったニューガーデンが襲ってきたが、ニューガーデンは琢磨のペースに追いつけなかった。
それほどの速さがありながら、上位に上がれなかったのは、今日のレースは運がなかったとしか言いようがないだろう。
レース終盤には2台をかわし、16位でのフィニッシュとなったが、本当に惜しいレースとなった。優勝したのはピットタイミングの良かったニューガーデンで、2位にはロッシ、3位はヒンチクリフと琢磨と順位を争っていたドライバーだ。タイミングさえうまく合えば、表彰台は間違いないレースだった。まさしく後の祭だ
。
「クルマも順調に仕上がっていて、Q2は残念でしたけど、朝のウォームアップで7番手とはいえ、区間タイムだけ見るとトップ3になってましたし、レースは楽しみにしていました。雨の予報もありましたけど、降るなら降ってくれたほうが、もっとチャンスがあったかもしれませんね。レース後に降ってきても遅いんだよなぁ(苦笑)。あ~悔しいです」
ストリートコースはこのトロントが今年の最後。この後はミドオハイオのロードコースとなる。インディカーシリーズは8月~9月で大詰めとなるが、ここらで琢磨の奮起を期待したい。