そのままの勢いで、このチーム・エングストラー2台はベスコニのアウディRS3 LMSを仕留め、それぞれ2番手、3番手にポジションアップ。先頭を行くヴェリアをロックオンすると、12周目には3台のマシンがバンパー・トゥ・バンパーの状態となり、その全体ギャップはコンマ8秒以内にまで縮まっていく。

 その集団内で機を伺い15周目に仕掛けたソーマは、トップのヴェリアが閉めたドアを強引にこじ開け首位奪取に成功。その反動でワイドになったヴェリアのゴルフGTIは、エングストラーにも先行され3番手にドロップ。

 しかし、この壮絶なバトルが仇となり、首位に浮上したソーマのマシンはサスペンションを破損し、わずか2周後にはピットイン。そのままリタイアという無念の結末となってしまう。

 これで労せずしてトップに躍り出たエングストラーが、このままフィニッシュラインを迎えるかと思われたファイナルラップ。レース大半でリードラップを奪い、勝負を牽引してきたイタリア人、ヴェリアが起死回生のダイブを敢行し、エングストラーを弾き飛ばし再度の首位浮上に成功。

 そのままヴェリアがトップチェッカーをくぐり、わずかに遅れてエングストラー。そして最後の表彰台となる3位には、レース1勝者のアルトやオモラを抑えたカイ・ジョーダン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が入る結果となった。

 しかしレース終了後、主催者側は首位でチェッカーを受けたヴェリアに、最終周のオーバーテイク・ムーブに対しペナルティを課すことを決定。レースタイムに30秒が加算され8位にドロップ。

 最終的に、優勝は17歳のティーンエイジャー、エングストラーのものとなり、2位にジョーダン。3位にジャコモ・アルトが入る形となった。

 これで週末に大量45ポイントを稼いだアルトが最初のポイントリーダーとなり、2位にわずか1ポイント差でエングストラー、3位に33ポイントのオモラが続いている。

 TCR中東のチャンピオンシップ第2戦は、この後1月26~27日にドバイ・オートドロームでラウンド3、ラウンド4が開催される。

リバースグリッドで中団からのスタートも、見事に勝ちを拾えるポジションまで挽回したルカ・エングストラー
こちらも17歳のスイス人、フローリアン・ソーマは痛いバトルの代償を払うことに
ピットレーン・コンペティションのロレンツォ・ヴェリアはファイナルラップのペナルティに泣く

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