最初の『ビッグ・ワン』には巻き込まれたもののダメージは大きくなく、その後も中団グループでクラッシュをかわしてきたマーティン・トゥルーエクス・Jr.は、12番手でステージ3の再スタートを切ると、まもなくトップ争いに加わりました。

 周回遅れとなっていたエリック・ジョーンズも、124周目に出されたイエローコーション時に『ラッキー・ドッグ』を獲得し首位と同一周回に復帰。着実にポジションを取り戻していきました。

 レースは残り5周で4台が絡むクラッシュにより、延長されて最後の2周決戦『オーバータイム』に。しかし、最初のオーバータイムでは、再スタート後すぐに9台が絡む『ビッグ・ワン』が発生し、更に延長されて167周目に2度目の『オーバータイム』。

 この2度目のオーバータイムは、トゥルーエクス・Jr.とエリック・ジョーンズが最前列に並んでの再スタート。

 アウト側のエリック・ジョーンズは一旦後続にかわされ、トゥルーエクス・Jr.の勝利かと思われましたが、ファイナルラップに入るところでアウトからトップ争いに復帰したエリック・ジョーンズは、トゥルーエクス・Jr.とサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げると、これを制しトップでチェッカー。

 2015年、19歳でのトラック・シリーズフル参戦初年度にシリーズチャンピオン、翌2016年にはエクスフィニティ・シリーズでルーキータイトルを獲得して2017年に21歳で最高峰カップ・シリーズへと到達した若きホープが、フル参戦2年目にして念願の初優勝を飾りました。トヨタはこれでカップ・シリーズ3連勝。直近の6戦中5勝という強さを見せています。

 エリック・ジョーンズはこの勝利により、シーズン終盤に上位ドライバーによってタイトルを争う「プレーオフ」での進出をほぼ確実なものとしました。フル参戦2年目、22歳のエリック・ジョーンズにとっては初めてのカップ・シリーズでの『プレーオフ』進出となります。

 シリーズのディフェンディングチャンピオンであるトゥルーエクス・Jr.は惜しくも2位。それでも今大会の好結果により、ランキングでは3位へと浮上しました。

 次戦第19戦は7月14日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われます。

喜びを爆発させたエリック・ジョーンズ

ドライバー エリック・ジョーンズ

「私にとって初のカップ勝利、初のデイトナでの勝利、初のスーパースピードウェイでの勝利! 最高の一日です! バーンナウトではタイヤスモークが車内にたくさん入ってきて、息をするのも大変なほどでした。しかし、最高の気分です」

「レースの中盤までは、勝てるなんて考えもしませんでした。チームが素晴らしい仕事で車両を修復し、コースに戻してくれました。これまでスーパースピードウェイであまり良いレースが出来たことはなく、そこで勝てるなんて予想だにしていませんでしたが、それだけに今夜の勝利は格別です」

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