そしてレース中盤にはティックフォード・レーシングのチームメイト同士でアクシデントが発生し、チャズ・モスタート(フォード・ファルコンFG-X)がキャメロン・ウォーターズのペアを務めるデビッド・ラッセル(フォード・ファルコンFG-X)とサイド・バイ・サイドとなり、モスタートにプッシングされたラッセルのファルコンはウォールに激突。
これでウォーターズ/ラッセル組はピットで長い修復期間を過ごすこととなった一方で、モスタートは4位フィニッシュを果たし、レーススチュワードはこの接触を「レーシングインシデント」としてペナルティを科さない判断を下したことで、チーム内に禍根を残す出来事となった。
さらにレース終盤に向けた最後の波乱は、首位を快走していたレイノルズにも襲いかかる。周回数が100周を越えた頃からレイノルズの足が痙攣に見舞われペースダウン。135周目にはトリプルエイトのサテライト、予選9番手スタートのオートバーン・ラウンズ・レーシングに首位を明け渡すことに。
最終ストップでも事態はさらに悪化し、両足の痙攣のせいでクラッチミートが満足にいかなかったレイノルズのマシンはピットロードの発進で激しくホイールスピン。これがスポーティングレギュレーション違反となり、ドライブスルーペナルティで13位にまでドロップ。連覇の権利が失われる結果となった。
ファイナルラップでは「バサーストでこんなに大量リードを持ってチェッカーを受けたことがない」とラウンズが振り返るように、2位のWAU、予選18番手からの追い上げで2年連続表彰台となったスコット・パイ/ウォーレン・ラフ組(ホールデン・コモドアZB)に6.3秒のマージンを持ってラウンズがフィニッシュ。見事に7度目のバサースト1000制覇を成し遂げた。
「それは本当にたくさんのことを意味する。まるで(全盛期だった)2006年に戻ったような気分だよ。僕らのマシンは週末を通じてステアリングにトラブルを抱えていたけど、チームの全員が信じられない仕事ぶりでこれを克服したんだ」と、満足げに語ったラウンズ。
「最後の3スティントは、クールスーツやヘルメットのエアコンが効かず少し疲れたけれど、チームのために最高の結果になった。レース序盤はスピードがなかったけれど、トラックコンディションが僕らに合ってくるのを待っていたんだ」
最後の3位表彰台には選手権争いを展開するDJRチーム・ペンスキーのスコット・マクローリン/アレクサンダー・プレマ組(フォード・ファルコンFG-X)が入るも、ライバルのSVGも5位となり、からくもチャンピオンシップリーダーの座を堅持している。
2018年シーズンも残るカレンダーは3戦。続く第14戦はエンデューロカップ最終戦でもある“ゴールドコースト600”が、10月20~21日に開催される。



