一方の福住仁嶺はフリー走行で4番手に付けていたが、予選では19番手と低迷。その遅さの原因が全く分からないと福住は首を捻った。今シーズンずっと続いている問題は、結局最後まで解明できなかった。チームメイトとしてスポットで初めてFIA F2を経験することになったダニエル・ティクタムにも後れを取ったが、ドライバーの腕ではなくマシンに問題があることは明らかだった。
「どうやったらここまで予選で遅く走れるのか不思議ですよ。自分としては気持ち良く走れているし、限界まで攻めている感があるんです。ミスもないし悪くないラップかなと思って帰ってきてタイムシートを見ると『ハァ!?』っていう感じで全然タイムが出ていなくて、あぁまたこれかって感じです」
後方グリッドが災いしてレース1では止まっていたラティフィのマシンに接触し右側の前後サスペンションを壊して1コーナーでストップ。

レース2はタイヤを労りながら後半に勝負を賭けたが、レース運営システムの問題でDRSが全車使用不可となり、オーバーテイクが難しくなった。
「僕としてもフルにプッシュしたらタイヤがすぐになくなるのが分かっていたんで最初はかなりマネージメントして後半に勝負を賭けようと思っていたんですけど、レース途中から(全体として)DRSが使用不可になってしまったんで、オーバーテイクが難しくなってしまったのが痛かったですね」
「後半のペースは悪くなかったんで、DRSを使ってジャック(・エイトキン)をもっとすぐに抜けていたらレース展開はもっと違ったと思うんですけどね。抜いてから最終ラップに全開でプッシュしたらタイムは悪くなかったですから」
結局12位でレース2を終え、福住のツラい1年も終わった。
