「(感覚に反して)遅かった理由は分からないし、僕ももう考えたくないし(苦笑)。これのことを考えていたら来年に響きそうだし。今回学んだことは学んだことで生かして、忘れるべきことはさっさときっぱり忘れて来年に集中したい」
上位チームと同じカテゴリーとは言えないほど劣悪なチーム環境での1年を強いられた福住は、来季に向けてしっかりとした仕切り直しが必要だろう。FIA F2という舞台で実力を試すチャンスすら与えられないままヨーロッパを後にするのは残念だ。
牧野も1年目でピレリタイヤを懸命に学び、後半戦はめきめきと力を伸ばしてきた。モンツァの優勝がその証だが、それ以外のレースではソチの1周目のもらい事故や今回のセーフティカー導入など本来の力が結果に結びつかない場面が多く、結果だけで判断するのはフェアとは言えない。
「前半戦は初めてのことだらけで苦戦しましたけど、後半戦は右肩上がりで良くなって1回優勝もしたし、手応えを掴んできている状況の中だったので、もう1年この体制で走れれば面白かったと思うし、正直ちょっと残念ですね」
それでもふたりはヨーロッパで学び成長したことを生かし、新たな舞台で戦う。そしてF1という夢を諦めることなく戦い続け、再びこの地に舞い戻ってくることを誓った。