フラストレーションを表現するようにステアリングを激しく打ち付けながらマシンを降りたマクローリンは、TV中継のリポーターに対してウォーターズへの不満をぶちまけた。

「あいつの職業はなんなんだ!? 僕はファンやスポンサー、シェルVパワーとチーム、そしてクルーみんなのために戦いたかったのに、あいつがすべてをぶち壊した」と激昂したマクローリン。

「僕は週末を通じてずっとそうしてきたように、今回もグリッドへ向かうアウトラップで念入りにタイヤのウォームアップを進めていた。どのドライバーもみなそうやってレースに挑む準備をしているだけなのに、あいつがなぜあんなことをしたのか理解不能だ」

 誰が過ちを犯したのか、という問いに対しても「僕は至って通常の手順でグリッドへ向かっていただけだ。こちらに何の落ち度もないことは明らかだろう。彼からの謝罪を期待している」と怒りが収まらぬ様子のマクローリン。

 しかし、一方のウォーターズも「彼が僕だけに非を押し付けるのはいただけない」と反論した。

「僕はただ前を行くチャジー(モスタート)を追っていただけで、タイヤを温めたいならグリッドについてからでもそれをする時間はたっぷりあるはずなんだ」とモスタート。

「僕はその時点までにすでに何台かのマシンを追い越し、ターン5でも同じようにスコッティ(マクローリン)をパスしようと、コース限界まで右によって進んだんだ」

「でも彼は僕を見ていないのか、極端にマシンを左に振ったかと思ったら、次の瞬間には僕のマシンにヒットしに来て彼のリヤホイールに張り付いた。こんなの馬鹿げてるよ」

 結局、この25周のレース5はセカンドロウに並んでいたブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)のティム・スレード、ニック・パーキャット(ともにホールデン・コモドアZB)を逆転したモスタートが勝利。2位に7度の王者経験者ウインカップ、そしてスレードの表彰台となった。

 そして日曜開催の最終レース6にはDJR、ティックフォードともにマスタングのリペアが済み、セーフティカー絡みのレースでマクローリンが逆転を決め週末3勝目をマーク。ポールシッターのモスタート、ウインカップが表彰台に続き、前日事故の当事者ウォーターズも4位に入っている。

 続くVASC2019年シリーズ第3戦は2週間のブレイクを経てオーストラリア大陸を離れ、タスマニア島のシモンズ・プレイン・レースウェイでの”タスマニア・スーパースプリント”が控えている。

アクシデント後には話し合いを持ち、和解して日曜に臨んだマクローリンとウォーターズ
セカンドロウ独占など、2019年は好調なシリーズ開幕を迎えたBJR陣営は「大いなる進歩」と手応えを語る
エンジントラブルや前年同様のホイール脱落ペナルティなどで勝負権を失ったシェーン-ヴァン・ギズバーゲン
プライベーターとしてニッサン・アルティマで戦うケリー・レーシングもペナルティ続きの不運な週末に

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