そして週末最後のヒートとなるレース3は、週末最終イベントの定石どおり荒れた展開となり、自身のWTCR初ポールから出たComtoyou Racingのフレデリック・バービッシュ(アウディRS3 LMS)がスタートで後続に飲み込まれ、その余波を受けた後方でもバトルが勃発。
KCMGでフルシーズン復帰を果たしたティアゴ・モンテイロとグエリエリのシビック2台がターン5でサイド・バイ・サイドとなり、モンテイロがエスケープをカットしてトラックに復帰すると、そのままバックストレートで並んだホンダ勢のアウト側からエルラシェールが並びかけ3ワイド状態に。続くターン8のブレーキングに向けイン側のグエリエリにスペースを残して行き場を失ったモンテイロのシビックが、エルラシェールのリヤにヒットする格好となり、Lynk&Co 03 TCRはたまらずスピン。
バリアに突っ込んだエルラシェールのリヤにモンテイロのシビックが突っ込む形となり、オープニングからSC導入の展開に。
リスタート後もミューラーが隊列を率いるが、レース中盤に突如ステアリングアームのトラブルでスローダウンし、そのままピットへ。背後をフォローしていたLynk&Coのチームメイト、ビョークがトップランナーになると、同じ周回でBRCヒュンダイNルクオイルのアウグスト・ファルファス(ヒュンダイi30 N TCR)もギヤボックストラブルでエスケープゾーンにストップ。
さらに残り周回が3ラップのところで5番手を走行中だったベルネイのアウディがリヤブレーキを失い、高速ターン7でコントロール不能のままリヤから大クラッシュ。これでSC先導のままレース終了となり、2017年WTCC王者のビョークが新ブランドLynk&Coにデビュー戦初勝利をプレゼントした。
2位バービッシュに続き、この週末再三のオーバーテイクを披露しながら、つねに上位でレースを戦った2018年TCRヨーロッパ・チャンピオンのミケル・アスコナ(セアト・クプラTCR)が3位に入り、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー・チャンピオンシップ昇格組の新興PWRレーシングにとってもうれしい世界戦初ポディウムとなっている。



