しかし17周目に後続でアクシデントが発生し、タイヤバリアが破損するクラッシュでセーフティカー(SC)が導入されると、首位のマージンは一気に消し飛ぶことに。

 21周目のレース再開後もファンのSNS人気投票により使用権が変動するオーバーテイクボタン、“FAN PUSH”を使用した攻防劇を繰り広げるトップ2台だったが、ここでコース上は再び無常の雨となり、首位争いに大きな影響を及ぼすことに。

 先にピットへと飛び込んだ先頭カミーロがウエットタイヤへの交換を行ったのに対し、4番手ゴメスも同様の戦略で続き一時首位浮上に成功するが、その翌周にピットへと向かったセラ、バリチェロのふたりは、なんとここでスリックへの交換を決断。

 雨粒が落ち続けるなかでのチョイスは一種のギャンブルではあったものの、この戦略がピタリとはまった2台は瞬く間に先頭のゴメスを抜き去ると、その後も王者セラは2番手のバリチェロに対して10秒以上のリードを構築する圧巻のスピードを披露しトップチェッカー。

 ディフェンディングチャンピオンにふさわしいレース運びで開幕勝利を飾るとともに、元F1ドライバーでこのSCBシリーズの100戦目も制している父、チコ・セラとともにポディウムへと上がった。

 2位のバリチェロに続き、3位はセラと同じ戦略を採用したチームメイトのリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)が逆転表彰台を確保し、前半戦を支配しながらウエットタイヤの選択が裏目に出たカミーロが4位、そしてゴメスは終盤のエンジントラブルで6位にまで後退する結果となった。

「なんて衝撃的な結果、なんて難しいレースだったんだ。これはもうほとんど勝利にも等しい成果だよ」と、表彰台で喜びの表情を浮かべたバリチェロ。

「雨が落ち始めた時、当然周囲のライバルたちはレインタイヤを選択するだろうと予測していた。でも僕は冷静に物事を判断し、ドライのままでいくと決めたんだ。セラが同じ判断をしたのもよくわかるし、この表彰台をみんなにプレゼントできてハッピーだよ」

 開幕戦の週末は500戦記念のメモリアルレースとして1ヒートのみで開催されたが、5月5日開催の第2戦ヴェロチッタからはレギュラースケジュールの週末2ヒート制に復帰しての戦いが待ち受ける。

中盤のSC導入や降雨の外乱にも動じず、タイヤ選択を当てた3名が表彰台を独占する結果となった
3位に入ったリカルド・マウリシオ以下は全車周回遅れというリザルトに
王者ユーロファーマ勢以外で唯一、落ち着いたタイヤ選択で表彰台を獲得したルーベンス・バリチェロ

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