その後方では予選トップ10入りを果たしていたホンダ・レーシング・アルゼンティーナのリカルド・リサッティ(ホンダ・シビックSTC2000)とシトロエン・トタル・アルゼンティーナのファクンド・チャプル(シトロエンC4ラウンジ)がクラッシュし、早くもセーフティカー(SC)導入となる。
このSC明けでトヨタの2台は抜群のリスタートを決め、後続に対しあっという間に2秒のリードを構築。6番手発進のペーニャがシボレーのレイバーに仕掛けると、防戦したYPFクルーズはハーフスピン状態に陥り、選手権首位のルノーが4番手浮上に成功する。
さらにエース不在の重圧が影響したか、奮闘が空回りしたレイバーは14周目にマティアス・ミラ(トヨタ・カローラ)とも接触し2度目のマシンダメージを受け、あえなくピットロードへ。この時点でロッシ、サンテロのカローラ2台がレースを支配し、王者アルドゥソ、ペーニャのルノー艦隊がそれを追走。5番手にはミラのカローラがつけ、それを挟み撃ちするオーダーとなっていく。
すると18周目にこう着状態を打破すべく、ルノースポールは王者に対し無線指示を出し、ペースに勝る4番手のペーニャを前に出すよう非情のチームオーダーを発令。予選“ペナルティ・ウエイト”を免れているペーニャは55kgを搭載するトヨタのサンテロに襲いかかり、テール・トゥ・ノーズのバトルを演じるも、最後の最後までオーバーテイクはならず。
首位を堅持したトヨタのロッシが30周のトップチェッカーを受け、連勝で今季3勝目を獲得。2位に老獪なディフェンスでしのぎ切ったサンテロが続いてトヨタ・カローラがワン・ツー・フィニッシュを達成。3位表彰台にペーニャが続きポイントランキング首位をキープし、4位に王者アルドゥソ、5位ミラ、6位にフィアットDTAレーシング、マリアーノ・ウェルナー(フィアット・ティーポSTC2000)が続くトップ6となった。
前戦最終ラップの大逆転劇に続くこの連勝により、トヨタのロッシが選手権2位に浮上したSTC2000シリーズ。続く第7戦は、8月17〜18日に首都ブエノスアイレスにあるサン・ニコラスのトラックで争われる。



