セーフティカーピリオド中の隊列維持違反でクルサードにはレース中にドライブスルー・ペナルティが課されトップ10圏外へと脱落し、残り周回に向け再びバトルが再開されると、マクローリンに対しては燃料セーブの指示が飛び、「このままセーフティカーなしだとガソリンは最後まで保たない」との無線が入り、首位ウインカップとの差はみるみる開いていく。
しかし残り10周。1コーナーのアクシデントでついにセーフティカーが入ると、ここでスプラッシュ&ゴーを決断した888号車ウインカップに対し、マクローリンはなんとステイアウトを選択。セーフティカー中スロー走行でのガス欠回避に賭けると、153周目のリスタート以降は同じ戦略で追いすがった97号車SVGと、WAU(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド)のジェームス・コートニー(/ジャック・パーキンス組)をなんとか抑え切る。
そしてフィニッシュ目前。ニッサンのハイムガートナー組のクラッシュによる、この日最後のセーフティカーが明けた161周目のスプリントも制した、DJR組の17号車マスタングがトップチェッカー。王者マクローリンが、マウントパノラマで待望の初勝利を飾った。
チェッカー後にチームオーダーの件を問われたマクローリンは「レース後記者会見まで、その件に関してはまるで知らなかったんだ。僕らは速いマシンを持っていて、レースにも勝ったけれど……それに関しては少し整理してみる必要がありそうだ」とコメント。
スチュワードもこの件について「スポーティングレギュレーションD24.1項、チームオーダーの禁止に該当する可能性がある」との声明を発表して事態の調査に乗り出しており、続く第13戦ゴールドコースト600までの間に、ポイント剥奪か、金銭的罰金かのペナルティは避けられないものと見られている。
その裁定決定を前にした現時点では、スコット・マクローリン/アレクサンダー・プレマ組が”エンデューロ・カップ”をリードするとともに、ドライバーズランキングでもマクローリンが3308ポイントの独走態勢をキープ。2位に2686ポイントのSVG、3位に2521ポイントのクルサード、そしてこのレースで4位に終わったウインカップは2380ポイントのランク5位となっている。


