「もちろん、我々としてもシングルギヤでドライブシャフト直結のダイレクトドライブ仕様をスタンバイしている。これは99%準備が完了しているし、すぐにでも生産が可能だ。でも今回は人々に我々のプロジェクトを披露し、さまざまな疑問を取り除くことを優先したんだ」
FIA-F4規定のホモロゲーション取得シャシーをベースとするERA車両は、内燃機関となるF4の最高出力規定である160馬力(119kW)を上回る174馬力(130kW)を発生することから、ヴァンスウィンホーベンも「標準的なF4車両より速くなるはずだ」と説明する。
「F4と同等か、それより少しだけ上のパワーを発揮することから、トラック上でもより速いタイムを刻めるはずだと考えているが、何よりも効果的なのはそのパワーデリバリーの迅速さだろうね」と続けるヴァンスウィンホーベン。
「コーナーではより速さが増すだろうし、トラックによってどのように比較するかは異なるだろうが、全般的に言って参戦コストが抑えられているにも関わらず、標準のF4より遅くなることはないと予想している」
このERAチャンピオンシップの標準的なスポーツ・クラスの年間エントリー費用は、約10万ユーロ(約1200万円)を見込んでおり、チーム単位で特定のパワートレイン領域を開発可能とするイノベーション・クラスでは約7万ユーロ(約850万円)が想定されているが、両者ともに安全上の対応からベース車両よりエンジンカバーの形状を変更している。
また、イノベーション・クラスでは空力開発の余地も残され、フロントウイングの翼端板やエアロポッドの追加も可能になるという。
シリーズの規定により、搭載されるバッテリーは24kWhで400Vを上限とし、最長レース時間は23分間に制限される。日曜の決勝2ヒートを前に、土曜に行われる2度の予選セッションでは、その間に充電を行わない方針を採用する予定だ。
