続くレース2は、そのシビック・タイプRにサクセスバラストを満載したポールシッター、カミッシュに対して38歳の4冠王者が逆襲。自身もバラストを搭載しながらスタートでFRの利を活かしたBMWターキントンは、2番手以下のポジション変動を尻目に悠々のクルーズでトップチェッカー。2位にはレース1でイングラムを仕留め3位表彰台を獲得していたブッチャーのフォーカスが入り、開幕前公式テスト最速のリザルトがフロックではないことを証明。
3位にWSRの若手トム・オリファント(BMW330i Mスポーツ/Team BMW)、4位イングラムのカローラに続き、5位にはレース1で14番手まで巻き返していたサットンが9台ごぼう抜きの快走を披露し、カミッシュやマット・ニール(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/Halfords Yuasa Racing)らも仕留めて入賞圏内までカムバックを果たしている。
そのインフィニティのスピードを証明するかのように、レース3で主役を演じたのはサットンで、リバースグリッド8番手から発進したQ50BTCCは序盤のSC出動にも助けられすぐさま先頭集団をロックオン。
7周目に3番手まで躍進すると、続く周のシケインで2番手ジョシュ・クック(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/BTC Racing)を、さらに翌周にはリバースポールシッターだったクリス・スマイリー(Excelr8 Motorsport)の今季デビューとなるヒュンダイi30 Fastback N Performanceをも鮮やかにオーバーテイク。2015年以来のBTCC再投入となるインフィニティに、早くも復帰後初勝利をプレゼントする好パフォーマンスを披露した。
「Laser Tools Racingと(今季ジョイントした)BMR Engineeringにとって、この結果はまさに必要としていたことだった。クルマは僕に大きな自信を与えてくれたし、すでに何の違和感もない。これまでドライブしたレースカーのなかでも最強の部類に入るね。それほど素晴らしい感触だったよ」と、週末を通して他を圧倒するスピードを誇示し、3ヒートすべてでファステストラップを記録した26歳のサットン。
開幕戦を終え、王者ターキントンがタイトル防衛に向け好発進のランキング首位に立ち、それを2位カミッシュが追い、サットン、ブッチャーが同ポイントで並ぶ展開となったBTCCイギリス・ツーリングカー選手権。続く第2戦はこのあとすぐ、連戦の8月8〜9日にブランズハッチのGPレイアウトで争われる。