長年にわたってスペインのマニュファクチャラーであるセアトとの強固な関係性を築いてきたゼングー・モータースポーツだが、待望の新型モデルであるクプラ・レオン・コンペティションTCRのデリバリーは9月の第1週が予定されており、同月中旬の開幕戦までには残された猶予がないため、ゼングー代表も「シーズンの幕開けは難しいものになるだろう」と予測している。
「ロジスティクスに多くの作業が必要な忙しい季節になる。しかし、ほかのチームと競い、激しくレースを戦うために、トラックへ向かうのを楽しみにしている」
スペイン出身のアズコナは、2019年に北欧系トップチームのPWRレーシングからWTCR昇格を果たし、ポルトガル・ヴィラレアルでの初優勝を含む5度の表彰台を獲得するなど大成功のデビューシーズンを過ごした。
そして誰にとっても難しい条件となった2020年に向けては、東欧の古豪チームに移籍し、2年目の世界戦を戦う機会を得ることとなった。
「僕はほんの2週間ほど前まで、今季WTCRでのシートを得ることは難しいだろうと考えていた。でもついに、こうしてゼングー・モータスポーツと契約することができて本当に幸せだよ」と、参戦実現の喜びを語ったアズコナ。
「WTCRは非常に優れたドライバーが多く、最高レベルのツーリングカー選手権だ。でも僕はこの機会を“最後のチャンス”だと思って挑戦しなくてはならない。ほかのチームはテスト機会を得ているが、僕らはぶっつけ本番での開幕戦になる」
「でも個人的に、すべてのトラックのあらゆる瞬間に非常に素早く適応するのが得意だし、それほど悪くはないだろう。それにWTCRでの競争力アップを想定して開発された、新型クプラもあるんだからね」
一方、国内のTC3500スプリントなどでセアト・クプラTCRをドライブしたキスマティ-レヒナーは、モータースポーツ参戦時期を考慮しても遅咲きのキャリアを振り返り「どんなに大きな夢であっても『遅すぎる』ということはない」と、期待の言葉を述べた。
「私は現在44歳だが、ドライバーとしてつねに改善し学ぶ準備ができている。初年度に大きな期待を抱くのは難しいかもしれないが、ベストを尽くして若いアズコナやボルディズをサポートしたいと思っている」