一方、車両を販売したWSRは、かつて2台の125i Mスポーツもカスタマー車両として提供した実績があり、今回のシシリーとの契約で現行型330i Mスポーツも初めてカスタマースペックが供給されることになる。
「シシリー・モータースポーツがその最初の顧客となり、2021年シーズンで2台のBMW 330i Mスポーツを走らせることを非常にうれしく思う」と語るのは、WSR代表のディック・ベネット。
「彼らは強力なエンジニアリング・マインドを持ったプロのチームなので、WSRが設計と製造を手掛けたマシンとして、タイトルチャレンジャーになるため必要なすべてのものを提供する必要がある」と、供給車両が決して“型落ちスペック”ではないことを強調したベネット代表。
「2019年の3月下旬にシェイクダウンして以降、このBMW 330i Mスポーツは2年間で獲得可能な6つの主要タイトルのうち5つを獲得し、57のレースで48もの表彰台を手にした。この実績はベースモデルのクオリティがいかに高いかを示す端的な証拠になるだろう」
一方、シシリー・モータースポーツ代表のラッセル・モーガンは、BMW導入の喜びを語ると同時に、これまで一線級の戦闘力を示して来たメルセデス・ベンツAクラスの今後についても言及した。
「BMWの導入をアナウンスできたことは、我々チームにとっても非常にエキサイティングな瞬間になった。しかしこれは非常に難しい決断で、リードエンジニアのスティーブ・ファレルとエースのアダムは、2020年もメルセデスで実行した素晴らしい仕事と戦績により、その判断をさらに困難にしてくれたんだ!」と続けたモーガン代表。
「我々のAクラスはその車歴においても絶えず改良され、しっかりとメンテナンスされてきた。規定上は2023年まで走る資格を有しているんだ。どこのチームが走らせても、いまだ前線で争うパフォーマンスを有しているよ」