このような状況下、琢磨陣営は各レースウイークエンドにおいて、走行を重ねるごとにマシンを改善し、レースで最も高い競争力を発揮する戦いを見せてきている。セント・ピーターズバーグ、デトロイトでの好走は、新規開催のテネシー州ナッシュビル、そして、2013年に歴史的初勝利を挙げたカリフォルニア州ロングビーチというふたつのストリートレースでの活躍に繋がるだろう。

 パンデミックの影響でロングビーチは今年だけ最終戦として開催されることになっているのだ。最終戰でのパフォーマンスはランキングに大きく影響する。

 今年はオーバルレースが少なく、シーズン後半戦にスケジュールされているのはイリノイ州マディソンだけ。ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイの全長は1.25マイル。ショートオーバルでのレースは今シーズンはこれのみだ。

 琢磨は一昨年にこのコースで優勝している上、エアロスクリーン装着で争われた昨年のダブルヘッダーでもスピードを見せてた。レース1の予選が5番手、レース2の予選ではポールポジションを獲得し、レース結果は2位と9位だった。RLLのショートオーバル用セッティングは今シーズンも高い戦闘力を保っていると見られ、優勝争いが期待できる。

 課題は常設のロードコースだ。一昨年には優勝したアラバマ州バーミンガムのバーバー・モータースポーツパークでの成績が今年は予選19番手、決勝13位。なぜか相性の悪いインディアナポリスモータースピードウェイのロードコースでは予選17番手、決勝16位という結果だった。

 残る7戦のうち、常設ロードコースは4戦と最も多く、今シーズン2回目のインディアナポリスモータースピードウェイ/ロードコースでのレースも含まれる。

5月のインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコース戦は16位で終えた佐藤琢磨
5月のインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコース戦は16位で終えた佐藤琢磨

 ロードアメリカでの琢磨は、予選20位から8位にまでポジションを上げてゴールした。そこにはもちろんチームの採った作戦の良さも影響していたが、ゴール前2ラップで切られたリスタートから、レッドタイヤ装着も味方につけて1周につき2台、合計4台をパスした走りには琢磨らしさが出ていた。

 ダメージを負ったマシンという不利を乗り越え、アグレッシブに走っての8位フィニッシュ。

 マシンを降りた琢磨は、「予選、そして、その後のウォームアップよりもマシンは良くなっていた。今シーズンの我々はロースピードとハイスピードのコーナーでのマシンバランスの変化が大き過ぎた」

「今日のレースでは、昨日のウォームアップからさらに変更したセッティングを投入し、これまでにあった差を少し縮めることができていた」と掴んだ手応えを語っていた。

 長い時間がかかったが、ついに明るい兆しが見えたようだ。次戦ミド・オハイオから、琢磨とRLLは常設ロードコースで攻勢をかけて行く。

シーズン後半戦、琢磨はチャンピオン争いに加わることができるだろうか?
シーズン後半戦、琢磨はチャンピオン争いに加わることができるだろうか?

リック・メアーズと笑顔で握手をする佐藤琢磨
リック・メアーズと笑顔で握手をする佐藤琢磨

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