これにより炭素繊維の破損した部品は、すべて航空および航空宇宙産業の革新的な技術の導入により他の用途に再利用可能な新しい繊維にリサイクルされ、26%の持続可能な材料がタイヤの構造体に組み込まれる。
また現代のICEがどれほど高効率でも40%程度の熱効率に留まるなか、電気エネルギーの90%以上を機械的エネルギー(運動)に変換できるEVパワーユニットの先進性を継承。すべてのサプライヤーは厳格な持続可能性KPI(重要業績評価指標)遵守を基本に、とくにシーズン9までにはFIAが主導する環境認定プログラムにおいて三つ星を取得することが求められる。
「この新しいGen3の電動シングルシーターこそ、FIAの技術チームがフォーミュラEのシリーズと一緒に達成した成果だ。その作業を通じて我々は、8年前にシリーズが開始されて以来、変革を推進し『持続可能なモビリティの開発を促進する』という目標を絶え間なく追求してきた。この新しいシングルシーターがフォーミュラEを次のレベルに引き上げることは間違いないだろう」と、席上での挨拶と手応えを述べたトッド会長。
また、現在のシリーズCEOを務めるジェイミー・ライグルも「FIAと協力し、世界でもっとも効率的で持続可能な高性能レースカー製造を実現した」と自信を込めた。
「Gen3はこれまででもっとも速く、もっとも軽く、もっとも強力で効率的なレーシングカーになった。これは市街地中心部でホイール・トゥ・ホイールの勝負をするために生まれてきた“クリーンな獣”と言える。シーズン9から世界中の都市で、次世代のモータースポーツファンを刺激し、興奮させるのを楽しみにしている」
一方、2022年のシーズン8を最後にシリーズからの撤退を決めているメルセデスEQ・フォーミュラEチームは、2021年新王者ニック・デ・フリースと僚友ストフェル・バンドーンのレギュラー2名を北米のインディカー・シリーズのテストに送り込むことを発表。
デ・フリースは12月6日にセブリングで実施されるマイヤー・シャンク・レーシングとの最初のテストに。バンドーンはニコ・ヒュルケンベルグをフォローするかたちでインディアナポリスに赴き、アロウ・マクラーレンSPとの“評価日”に臨む。

