その両車はWSC技術部門の求めに応じてイタリアに赴き、ピエモンテ州トリノ近郊に位置するグルリアスコにあるピニンファリーナ所有の風洞で、ダウンフォースとドラッグの係数を評価するテストを受け、リヤウイング迎角などを調整可能な範囲で異なる構成に変更し、ライドハイト設定とともにトラック上で再現可能なあらゆる状況が計測された。

 その後、ドイツに移動した2台はバイエルン州レッツに位置するビークルダイナミクス開発支援企業のJS-PE GmbHに送られ、車両を丸ごと回転させることが可能なプラットフォームを活用し、TCR規定ツーリングカーとしての“Centre of Gravity(車両重心位置)”の計測と評価が行われた。

 またその間もトヨタとフィアットのエンジンだけはイタリア・モデナに移送され、オーラル・エンジニアリングが所有する施設でダイナモ上のベンチテストが実施され、このテストから合流するために輸送されてきた『ラーダ・ベスタ・スポーツFL TCR』のユニットと一緒にテストセル内に設置され、出力とトルクの曲線を測定。さまざまな出力構成でエンジンマップをチェックする計測プロセスが実行された。

 そうしたホモロゲーション取得作業が続くなか、2021年はTCRイタリアの数戦にスポット参戦したジョナサン・ジャコンは、自身が開発ドライバーを務めてきた『フィアット・ティーポTCR』でのフルシーズンエントリーを計画しており、2022年のTCRイタリアではこの新型モデルとともにチャンピオンシップを戦うことを表明。

 そのプログラムを遂行するテクノドン・スポーツは、ジョナサンの兄弟であるスティーブも起用し、こちらは既存のアウディRS3 LMSを走らせることで、開発を担った新型TCRサルーンの実戦評価と熟成を進めていく計画だ。

イタリアのテクノドン・スポーツが開発した『フィアット・ティーポTCR』は、2020年から地域ホモロゲで実戦経験を積む
イタリアのテクノドン・スポーツが開発した『フィアット・ティーポTCR』は、2020年から地域ホモロゲで実戦経験を積む
車両を丸ごと回転させることが可能なプラットフォームを活用し、TCR規定ツーリングカーとしての“Centre of Gravity(車両重心位置)”の計測と評価が行われた
車両を丸ごと回転させることが可能なプラットフォームを活用し、TCR規定ツーリングカーとしての“Centre of Gravity(車両重心位置)”の計測と評価が行われた

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