■習熟テストがメインも来季に向けたメニューにも取り組んだ
最終的に2週間で800周以上も走り込んだテスト、手応えを感じられたのか?
「この時期、テストへの取り組みはそれぞれのチームで異なります。ドライバーに良いタイムを出させるのが主眼なのか? 経験の少ないドライバーにF3マシンを慣れさせるためか? それとも、来季に向けたデータの収集が目的なのか? タイムや順位だけで語るのは難しい」
「モトパークで乗ったときにチームから僕へ課されたテスト・メニューは、F3マシンに慣れることがメイン」
「とはいえ、来季から改定される車両規則に基づき、新しい空力部品を装着したり、車両最低重量の増加に合わせたり。来たる17シーズンを見据えたテストでもありました」
「新しいフロントウイングを装着した際には、中高速コーナーでの安定感を経験しました。来季は、リアウイングやサイドポッドやフロア後部にも新しい空力部品が装着されます。最低でも1.5秒はラップタイムを削れるようなので、フィジカル・トレーニングは大事です」
滞りなく短期集中FIA-F3テストを終えたのか?
「トラブルフリーではありませんでした。スペインのヘレスでは、縁石を跨いだときに軽いダメージをクルマに与えました」
「また、ポルトガルのエストリルでは車載の消火器がプシュっと…。消火器のアクシデントは、モンツァのFIA-F4イタリアに続き2度目。前回も今回も、僕を“指導”する目的でタキさん(元F1ドライバーの井上隆智穂)が現場に来たときに限ってです」
モナコの怪人、出入り禁止にしたほうが良かったのでは?
「いやいや。タキさんの人脈は“自動車レース界のお笑い芸人”とは思えないほど多岐にわたりますし、レーシングカーのセットアップやドライビングに関する知識は相当なモノです」
「え? 少し持ち上げすぎましたかね? もちろん、消火器のアクシデントはもうコリゴリです……(汗)」