一方、ベルトンとの接触で6位に終わった”甥っ子”のチャンピオンも、マナーやBoPを含め「こうなるともはや、ツーリングカーではない」と不満を露わにした。

「ツーリングカーでの接触はレースの華だ。でも、相手を押しやり、ふたつも3つもポジションを失わせるのは公平ではない。ハコ車では何らかの接触が必須だが、それは接触ではなく衝突だよ」と続けたエルラシェール。

「予想どおりタフで難しいレースだった。僕たちよりもはるかに軽量で、パワーが2.5%高いクルマが相手では、このような状況で追いつくのは困難だ。明らかに直線速度の不足に苦しんでいるが、あまり政治に参加したくはないからね」

 続いてリバースグリッド採用のレース2では、今季復帰組のマ・キンファ(シアン・パフォーマンス・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)との勝負でミケリスがターン1のタイヤバリアに接触。「アウト側から丘を登ったら、リヤがヒットした。どういう状況か映像で確認が必要だが、その後はクルマがまったく応答しなくなった」と語ったミケリスに加え、その背後にいたトム・コロネル(コムトゥユー・DHLチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が巻き添えの憂き目に遭い、ここでSCが導入される。

 3周目のリスタート後は、ダニエル・ナジー(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)がマ・キンファをかわしてリードを奪うと、5周目には“地元の英雄”アズコナがリンク&コーとクプラを仕留めて首位へ。その背後では、僚友をパスしたハフがふたたび2番手に上がってくる。

 そのままリーダーとのギャップを縮めたハフだったが、12周のチェッカーまでに前に出ることは叶わず。アズコナが今季3勝目を挙げ、イギリス出身の元世界王者が連続の2位表彰台、3位にはナジーを攻略したサンティアゴ・ウルティア(シアン・パフォーマンス・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)が続くポディウムとなった。

 この結果「ここでは苦戦すると予想していたが、それよりは良い戦績を得ることができた。引き続き、この水準で仕事を続けていくしかないね」と語ったアズコナが129点でランク首位に立ち、29点差でマグナス、33点差でウルティアが追う展開となった2022年WTCRシーズン。続く第5戦は、前述のとおり7月1~3日の連戦開催となるポルトガル・ヴィラレアル市街地サーキットでの1戦が待ち受ける。

いまだコンペンセイション・ウエイト0kgのミケル・アズコナ(BRC Hyundai N Squadra Corse/ヒョンデ・エラントラN TCR)が、レース2で地元戦を制した
直線速度に苦しみながら、レース2で3位まで挽回したサンティアゴ・ウルティア(Cyan Performance Lynk&Co/Lynk&Co 03 TCR)はランキングでも3位を死守した

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